バグ大 反応集６

京極組 ページ7

*久我、海瀬、相良、一条、高砂




《久我》


「あ、兄貴？」


もし国生の兄貴のように気の利いた台詞が口に出来ていたら？

久我さんはそんな事を思いながら感情の赴くままにAさんを
部屋の隅へ追いやると額をコツン、と合わせ……

「A」

良き兄貴分でいたい。けれどもそれだけでは満足しない。
あぁ、一体どうすればいいのか

「………好きだ」

無意識に紡がれた言葉は久我さんの本心を表してしまいました



《海瀬》


「海瀬の兄貴……っ」

「黙ってろ」


自分を拒絶する言葉が紡がれるのが怖くて。何かを必死に
伝えようとする口を海瀬さんは塞ぎました

未だに自分を信じて疑わないその目に少し罪悪感を感じるも
Aさんを欲する気持ちがそれをかき消してしまいました

「仕方ねぇだろ……好きになっちまったんだから」

観念したように呟かれた一言にはどれ程の思いが込められているか
それに気がついたAさんは何も言えずにいたのです



《相良》


「どうでもいいんだよ。お前が何を考えていようが」


何故なら自分に一切の気持ちが無いのは既に知っているからです

「さっさと諦めちまえ。俺は諦めるつもりはねぇぞ」

一つ、また一つと追い詰め、退路を断つ相良さん。こうまで
しても一向に首を縦に振らないAさんに苛立ちを隠せません



《一条》


「やはり気持ちは変わらないか」

「ごめんなさい、一条の兄貴……」


しかし手に入らないとなれば余計に欲しくなる。それは
一条さんも例外ではありません

俯くAさんの顔を上げるとそのまま……

「ん……っ、一条の兄貴……？」

「俺だってAを思う気持ちは変わらない。お揃いだな」

せめてもの仕返しにキスを一つ。強引に迫るなんて真似は
追い詰めるだけと分かっている優しい一条さんでした



《高砂》


「ねぇ。忘れてるのかもしれないけれど私も男なのよ」


気持ちを打ち明けてからというもの、その関係性は悪い意味で
何も変わらなかった

それは全く意識していないだとと強く言われているようで高砂さんは
長い間ずっと、ずっと悩み続けていたのです

「貴方は好きな人に気持ちを打ち明けてそれを忘れられたら
　どう思うのかしら」

「えっと……悲しい、です」

「なら私の気持ちも分かるでしょう？」

軽いお叱りと共にAさんの唇に軽く噛みつき……

「これからは無視しちゃ駄目よ」


高砂さんは悲しそうに笑みを浮かべるのでした





*

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す