バグ大 反応集６

戒炎 ページ43

*我妻、遊馬、緋田、榊原




《我妻》


「ひっ……すみません！」

「どうして謝るんだい？俺、怒ってないよ」


そこまで怯える相手の手を何故握ったのか。その様子が余程
面白かった我妻さんは必死に離そうとするAさんに顔を
近づけました

「Aは可愛いな。ずっとこうしていたくなるよ……本当に」

それがただの願望で終わらないのが我妻京也という男なのです



《遊馬》


「そ、そろそろ離してもいいですか？」

「………」


かれこれ数十分はこの状況が続いています。怒っているとも
何とも言えない遊馬さんの様子にAさんはもうどうしたら
いいか分かりません

「遊馬さん……あの」

「駄目だ」

ようやく口を開けばその一言だけが返って来ました。困り果てた
Aさんは無理やり引き離そうと力を込めました……が

「今、手放せば他の男の所に行くんだろう？」

全く経験がない訳ではありませんが、かと言って豊富でもない。
寧ろ甘い言葉を囁くなんて苦手な遊馬さんはこれが精一杯なのです



《緋田》


「回りくどい真似なんかするな」


別にAさんの事は嫌いじゃない……どころか好きな方なので
わざわざ顔色を伺う必要もなかったみたいです

「お前相手に怒るつもりはない」

「で、でも……緋田さん」

「他の男にするよりマシだ」

そのフワフワとした可愛らしい雰囲気に絆されるのは自分だけじゃ
ないのは分かっています。だからこそ少しキツめの言い方になって
しまうのです



《榊原》


「俺で良かったのか？」

「はい。榊原さんなら怒らないかなぁって」

「それならいいが……」


そこまで接点がない自分に何故……とは思いますが、満足気に
笑みを浮かべるAさんにそれ以上何も言えなくなりました

「何か幸せです……えへへ」

「……俺もだ」

いつでも命を投げ打つ覚悟でいたのにAさんを目の前に
するとその決意が揺らいでしまう

離れなければと思っても離れられない……いや離れたくない。
それが榊原さんの本音なのでしょう




*

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