検索窓
今日:73 hit、昨日:110 hit、合計:67,587 hit

天王寺組 ページ5

*城戸、浅倉、渋谷、室屋、馬渕
*妹分夢主





《城戸》


「ほんまに可愛ええなぁ」

「……っ」

「何でそんな逃げんの」


その瞳の奥に潜んだこちらを射抜く鋭い光。それに気が付いた
Aさんは咄嗟に城戸さんから離れます

「取って食ったりする訳やないのに。怯えんといて、な?」

無意識ですがAさんを求めるあまり圧をかけている事に
気が付いていない城戸さんでした



《浅倉》


「城戸の兄貴には鬱陶しい程、甘えんのに俺には何で
 擦り寄って来ないん?おかしいやろ」


気に食わない。自分だってそれなりに……いや、城戸さん以上に
可愛がっている筈だ

「さっさと答えんかい。兄貴分が聞いとるんやぞ」

「浅倉の兄貴……怖い、から」

Aさんは気がついているようです。浅倉さんが自分に
優しくするのは何か別の意味があるのだと

「ほんなら話早いわ」

例え自分の事を兄貴分としか見ていなくとも関係ない

「これでも待っとったんやで」

この気持ちがバレているのならもう容赦は出来ません



《渋谷》


「何でって……そんなんAが好きやから」


あくまで兄貴と妹分。Aさんはそう思っていました

二人で飲みに行ったり、甘い物を食べに行ったり……神経を
すり減らす毎日を送る中での細やかな幸せをどうしても
失いたくなかったのです

「……俺、Aの考えが変わるの待っとるから」

無理やり物にしようとも思いましたが今にも泣きそうな顔を
見て踏みとどまった渋谷さんは複雑な表情を浮かべていました


《室屋》


「なんでっ……室屋の兄貴……っ」

「お前が悪いんやで」


自分の気持ちに気づきながらこれまで通り接しようとした
Aさんに苛立ちを隠せない室屋さんはついに我慢の限界が
来てしまいました

「泣いたって離されんわ」

室屋さんの異常な執着心を残された身体。Aさんは
必死に引き離そうとしますが……

「さっさと諦めんかい。お前はもう俺のもんや」

Aさんの目元そっと拭ったのはせめてもの優しさです



《馬渕》


「強情やなぁ。俺が好き言う度に心臓鳴らしとる癖に」


何を考えているか分からない。能面の暗殺者と呼ばれる馬渕さんを
恐れるのはAさんも例外ではありません

「これでも優しくしとるんやけど」

「……でも」

「分からず屋にはこうしよか」

首筋に這う柔らかい感触。何をしようとしているのかようやく
気が付くも時すでに遅し


反転した視界に映る馬渕さんは相変わらず能面でした




*

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
123人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆず(プロフ) - ベルさん» 実はボスの大丸?と御前を出したいので今回のお題には組み込もうかなと思ってました! (10月22日 21時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ベル - 7段楽しみにしてます!!ぜひ、エルペタスメンバーをお願いします!! (10月22日 20時) (レス) @page50 id: 1ab7874982 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!ただ今、ストック作りとお題(仮)を考えたりなどしていますので公開がいつになるか分かりませんがよろしくお願いします! (10月22日 1時) (レス) @page50 id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第七弾!!楽しみすぎますぅ..!!😭 (10月22日 1時) (レス) @page50 id: 71e6c7d49f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 十六夜月夜さん» 十六夜月夜様は羅威刃と戒炎が好きだと分かっていましたのでこの2つの組織は絶対に入れようと思ってました🥹満足していただけたのなら幸いです☺️ (10月17日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月21日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。