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天羽組 和中 ※ リク ページ7

*





額に張り付いた前髪を払うとそこに唇を落とし、その穏やかな
寝顔を和中は眺める

先程までは自分をどこまでも惑わせる色香を映していたのに
今はまるで遊び疲れた子供のようだった



「……」



思いにふけていると昼間の忌々しい光景を思い出してしまったのか
途端に険しい表情が浮かぶ






__お前みたいな地味女を好きになる奴なんかいないっての

__だからより戻してやるよ。今度こそ楽しませてくれよ?





デートの待ち合わせ場所に向かえばそんな下劣極まりない言葉を
かけられている場面に遭遇

その内容から察するにAにトラウマを植え付けた元彼だとすぐに
分かった和中は二人の間に割って入った



「誰の許可を得てAに近づいている?」



自分の武器は日本刀、生憎とデートだから今日は持ってきて
いないが己の拳を持って撃退する事は十分に可能

この時、和中を抑えていたのは愛するAが近くにいる事と
ここが街中であるという事だけだった



「今すぐAに詫びろ。そして二度と俺達の前に姿を表すな!」



殴り付けたいがカタギである以上、それは難しく……その分
言葉に怒気が必要以上に含んでしまい元彼は情けない声で
謝罪した後に周囲から蔑みの目を向けられながら逃げていった








「何故今思い出す……」



嫉妬……だろうか?自分と出会う前の話なのだから今更
気にしても仕方がないというのに

白い肌に無数の痕を残してもこのモヤモヤとした複雑な感情は
どうにも治まる気配がない



「……」



タオルケットを捲り、露わになった首筋に軽く歯を立てると
その微かな痛みにAは身を捩る

しかし余程深い眠りについてるのかそれで起きる事はなかった



「この無防備な姿をアイツにも見せるつもりだったのか」



一向に関係を深められなかった事に痺れを切らした元彼が浮気を
して暴言を吐いて一方的に別れた……とAが言いにくそうに
教えてくれた事がある

噂通りの男だったなと落胆すると同時にこんなに魅力的なAを
みすみす手離した事に関してはある意味感謝しないといけないかも
しれないと改めて感じた





「俺は執念深いからな。覚悟しろよ」



脅しに近い囁きを残すと自分もベッドに背を預けるのだった




*

獅子王組 来栖 ※ リク→←京極組 犬飼 リク



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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , バグ大 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございました🙇‍♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時

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