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??? ページ50

*天羽組妹分夢主








「おや。こんな所に素敵なお嬢さんがいるとは思いませんでした」


それはAが多忙な兄貴達の分まで見回りをしていた時の事だ


「……?」


しかしそれが自分の事を指していると思っていないのか。辺りを
キョロキョロするAの様子に男は上品な笑みを浮かべる


「今は貴方と私の二人しか居ません」

「誰ですか?」


目前にまで近付いた時、暗闇でよく見えなかった顔がようやく
ハッキリと見えた


「(わ、綺麗な人……)」

「お嬢さん。貴方のお名前を伺っても?」

「……私だけ教えるなんて狡いですよ」

「随分と駆け引きがお上手ですね。私は香坂と申します」


Aはこの男……香坂が薄ら笑みを浮かべている事に
気が付いていない


「さて、私は名乗りました。今度はお嬢さんの番ですよ」

「……」


初対面でこの至近距離は中々に刺激が強い


「……Aです」

「素敵なお名前だ」


すると香坂は訝しげに自分を見つめるAの頬に手を添えると
少しトーンを下げた声で囁く


「この後いかがですか?二人きりでゆっくりと……」



__知らない奴について行ったら駄目だからなぁ?



「知らない人について行ったら駄目って兄貴に言われてます!」

「……そうですか。それは残念」


するとあっさりと身を引く


「Aさん、貴方の事は覚えましたよ。今度お会いした時は
 是非とも私の誘いに応えてくださいね」


まるで溶け込むように闇夜へ姿を消した香坂の後ろ姿に何処か
不安が過ったのは気の所為……だったのだろうか?




「須永の兄貴!知らない人についていきませんでしたよ!」

「偉いなぁ。今度飯奢ってやるぞぉ」


組に戻ったAをこれでもかと可愛がる須永の姿に周囲は
何も言えないのだった




________________

___________





「あまり戯れては市場拡大の前に目をつけられます」

「辰巳。誰に向かって物を言っているんだ?」

「失礼しました」


その正体はマッドカルテル日本支部長。香坂は至って落ち着いていた


「簡単に堕ちると思ったけど……手厳しい子だった」


あんな子供騙しのような断り文句で拒否されるとは正直
想像もしていなかった


「天羽組の妹分が香坂さんに失礼な事でもしましたか」

「寧ろそれくらいの方がいい。従順な子は物足りなくてね」


本性を現す凶悪な笑みを浮かべ、その名前を呼ぶ


「A。私を袖にした事を後悔させてあげよう」


いつまでも平穏に……なんて事はあり得ないのだ



*

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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , バグ大 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございました🙇‍♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時

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