エルペタス 世良 リク ページ44
*年末リク
*一般人夢主
「俺が帰って来るからと言って何もしなくていいと言った筈だ」
砂糖の焦げ付いた匂いが部屋に充満している。世良は軽く
呆れながら必死に片付けをしているAにそう言い捨てた
「食いたい物があれば言えばいいだろう。それぐらい
買ってやれる」
しかしAにとってはそこが問題ではない。何故なら……
「蓮二郎さんに喜んで欲しかっただけなのに……」
そう。手作りのお菓子を用意して帰りを待とうとしていただけ
「……そうか」
菓子など好きでも嫌いでもない。何なら店に行けば手軽に
手に入れられる物を何故わざわざ作ろうとするのか理解が
出来なかった
ただ、自分の為に……とAが頑張った事だけは何となく
分かった
「(俺の為に……か)」
久しぶりに味わう温もりにふと、世良は考える
「(……いっその事、結婚してしまえばいいか)」
しかしいつどうなると分からない自分のような男と一緒に
なったとして幸せになれる保証がない
付き合ってる今でさえも寂しい思いをさせているのに結婚なんか
したらその比ではない筈……
「蓮二郎さん！？」
「……味は悪くない」
皿に乗った失敗作を全て平らげるとそう短く伝えた
「また今度作ってくれ」
「……はいっ」
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Aの失敗は手作り菓子だけではなかった
夕飯、シャツのアイロンがけ、その他諸々……流石に無理を
するなと再度言いそうになったのを我慢した世良は自分を
褒めたくなった
「(全部俺の為……なんだよな)」
家政婦を雇えるだけの生活費は渡しているし、自分としては
それでも別に構わないと思っている
ただ、不器用ながらもAがやってくれた方が安心するのは事実
「あっ、蓮二郎さん！見て下さい！」
「今度は何だ」
「お茶！上手く淹れられましたよ！」
「……」
可愛い。茶なんかどうでもいい、とにかくAが可愛くて仕方ない
「……美味い」
「よかった」
もし部下がミスをしようものなら叱責だけではすまないけど
Aとなればその一挙一動全てが愛おしい
「(見守ってやるとするか)」
その行動の全ては自分を喜ばせたいという気持ちから来ている
ようやく任務の緊張感から開放された世良は分かりづらく
笑うのだった
*
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました！ (1月8日 0時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - リクエストありがとうございました🙇♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ！本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません！ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を！ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます！！やはりゆず様のお話どれも最高です…！ (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2023年8月7日 17時
