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天羽組 小峠 ※ リク ページ40

*年末リク(クリスマスをイメージ)
*一条同期夢主
*小峠さんと秘密裏に交際






「お疲れ様です。Aさん」

「華太君もね」


少し遅れてバーに合流した小峠は自然な流れでAの隣に座る。
グラスの底に残った僅かなカクテルを揺らし、オリーブを見つめる
Aのその瞳には疲労が映っていた


「何かあったんですか」

「一条と久我君がちょっとね。疲れちゃった」

「……」


二人の関係は双方の組に説明していない。抗争が終結したとは
いえ気軽に言えるようなものではない事を考えると当然と言える

だからこうして隠れて逢うしか今は出来なかった


「大変ですね。お互いに」


普通の会社でも中間管理職がある意味一番大変とは有名な話。
ましてや狂人揃いの組に属していればその気苦労と言うのは
計り知れないものがある

……けれど今はそんな事を考える必要はない。久方ぶりに逢えた
というのに何を考えているんだろうか


「マスター。俺にも同じカクテルを」

「かしこまりました」




_________________

_____________





「ねぇ」

「何ですか」


千鳥足まではいかないけれど小峠が支えないと歩けない程に
Aは酔っ払ってしまった


「いつもなら飲み過ぎって言うのに今日は言わなかった……
 どうして?」


家主を差し置いてベッドに寝転がるその無防備な姿には
別の意味で頭が痛くなる。そしてその問いに対する答えは……


「Aさんと一夜を過ごす理由が欲しかったからですよ」


何か切っ掛けがなければ一緒に居られないとは……何とも
もどかしい。いっその事、全てを明かしてしまおうか


「(……この人の努力が無駄になる事は止めよう)」


自分だって苦労人の立場だ。最愛の人を困らせるような
真似は出来ない


「華太君?」

「プレゼントまだ貰ってないので今いいですか」

「……」

「Aさんが欲しいんです」


この一瞬の幸せが当たり前となる日が訪れて欲しい


「私も華太が……欲しい」

「いくらでもあげますよ」


何とも情けない誘いに嫌な顔をせずに受け入れてくれるAが
愛おしくてたまらない

重なる肌の温もりの心地よさに思わず愛を囁くことさえ
ままならない小峠を包み込むその腕は彼を離そうとしなかった


「好き」

「俺もだ」


曇った窓ガラス越しに見えるイルミネーションがボンヤリと
光っている。来年こそ並んで眺めるようにと思いながらこの
瞬間に溺れる二人を邪魔する者など一人もいなかった




*

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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , バグ大 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございました🙇‍♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時

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