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天羽組 和中 ※ リク ページ35

*





「何故言いつけが守れない?」

「……蒼一郎さん手が離せないと思って」

「もし宅配業者を装った不審者ならどうするんだ」


一見するとそれは身の安全を考えて心配しているように見える。
しかしそんな単純な話ではない


「で、でも……ちゃんと業者の方だったんですし」

「それならば荷物だけ受け取って早々に業者を帰せば
 いい話だ。わざわざ世間話に付き合う必要などない」


ふとした事を理由にその業者とは話をしたが、それもせいぜい
3分あるかないかのもの。人によっては寧ろ愛想が良いと思われる

……それが気に入らないのだ


「それに必要な物があるなら俺に言えばいいだろう?何故
 わざわざネットで買うんだ」

「い、忙しそうだったから」

「構わんと常に言っているだろう。忘れたのか」


するとAの唇に突然、噛みついた


「いっ!?」

「心配かけるような真似はしないでくれ。何かあってからでは
 遅いんだぞ」


過保護。まさしくそれだ

それがAを困らせているとは分かってはいる。けれど
止めるつもりなどサラサラない。失ってしまうくらいなら
徹底的に囲った方が余程マシとさえ思っている


「世間話にかこつけて何かされてはいないだろうな」

「っ、されてませんよ」

「………」


本気で疑ってはいない。今はただその拗らせた嫉妬心を
どうにか昇華させたい、そしてAが自分だけのものだと
強く実感したかった


「念の為、確認するが明日は予定などないな?」

「どうして、そんな事聞くんですか……っ」


喋る度に首筋へ吐息がかかる。身を捩りながらもそう答えると
涼し気な顔をしたまま……


「今夜は寝かせられないだろうから確認しただけだ」


とても恐ろしい事を言われたような気が……いや、確実に
言われた


「Aの願いは俺が叶える。だから他を頼るな」


過保護気味なのは薄々気が付いてはいた

甘えてばかりではいられない。そう思ったのがきっかけで
まさかこんな事になるとは想像もしていなかった


「A。愛している」


全ては愛する妻の為に。ただそれだけ



________________

____________




翌朝。スマホを見るとメッセージが届いていた


蒼一郎さん必要な物があれば言え。今日は早く帰る



「蒼一郎さん……」


その愛情にどう答えればいいのか。気怠い体と頭で答えを
出すのは今のAには難しかった



*

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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , バグ大 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございました🙇‍♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時

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