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*我妻side
「素直じゃないよね」
「麻生……何がいいたいんだ」
「他の奴が同じ事したら怒るくせに」
仮眠室から戻ると麻生がどこかニヤニヤしながら俺に話を
かけてきた
「もうさ認めなよ?Aちゃんの事がす」
「いい加減にしろよ」
コイツこんなに食って掛かる奴だったか?いやどうでもいい。
取り敢えずAの残した仕事を……
「そういえばさ。今、Aちゃんがやってた仕事なんだけど
下部組織がミスったせいみたいだよ」
「は?」
「何か変だと思ったんだよ。それでちょっと脅しかけて
みたら……ね」
つまり俺に黙ってAはそいつ等のフォローをしてたって事か?
「なら何でそう言わないんだよ」
「いや言い辛いでしょ?責任感の強いAちゃんだから
説明してる暇がないって考えたんじゃないかな」
「ちょっと出かけてくる」
「了解」
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「次に同じ事したらただでは済まないからな」
完全に意識がとんだこいつ等に聞こえているかは分からない。
というよりどうでもいい
Aに免じて1日だけ待ってやる事にした。だが俺はたった
1日伸ばしただけで済む内容じゃないのを知っている
「(許す訳ないだろ)」
こうすれば少なくともAのせいでは無くなる。それが目的だ
そもそも下らない事でミスした挙げ句、しわ寄せをAに
押し付けた事が気に入らない
そのせいで怖がらせてしまった。全部こいつ等が悪いんだよ
「……久し振りだな」
こんなにハッキリと怒りを自覚したのはいつ以来だろうか。
俺が誰かの為に動いたは……いったい、いつ……
「帰りにアイスでも買っていくか」
この気持ちはきっと千尋が昔、俺に向けてくれたものと同じ
千尋が俺に愛を教えてくれた女だとすればAは俺が初めて愛を
与えたいと思った女だ
「馬鹿だよ。本当に」
その一言は一体、誰に対して向けたものなのか。何しろ
無意識だったから俺自身も分からない
アジトに向かう俺の足は自然と早くなっていた
「A。(また俺に黙ったら)許さないからな」
「ひっ……!」
「アイス食べたらもう今日は帰れ」
「(く、クビって事!?)」
「いや本当に不器用すぎるって二人とも」
少し離れた所で麻生がそう呟いていた事に俺達は気付く事はない
*
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - リクエストありがとうございました🙇♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時