戎炎 我妻 ページ33
*
「(うぅ……頭が痛い)」
薬を飲んでも治らない頭痛。完全に風邪を引いてしまった
「(でも休めないよ……我妻さんに怒られちゃう)」
脳裏に浮かぶのは我妻の顔だ。それなりに成果を出せば
相応の評価を出すけれど、もしそうじゃなかったら……
「まだ終わってないのか」
「ひっ……！」
「何その反応」
「きょ、今日中には終わらせますので……！！」
「計画性がないね。その量、どうみても終わりそうに
見えないけど」
突然、背後から声を掛けてきたのは今のAが最も顔を
合わせたくなかった我妻だった
「ん？」
「す、すみません！」
とにかく叱られたくなくて必死なAは何か言いたげなのを
無視して再び資料に手を伸ばす
その違和感に我妻が気付かない筈がない。しかし気になったのは
態度ではなかった
「……風邪引いてるのか」
「！」
「何してんの」
「じ、自己管理が出来なくてすみません！」
熱が上がってきているのか。顔全体が赤くなっていて
もはや誰の目から見ても風邪を引いてる事は明らかだった
「……本当に目が離せないな」
その呟きはAに届いていない。無理やりパソコンを
閉じるとその細い腕を掴み、我妻はどこかへと向かう
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「取り敢えず寝てろ」
「え？」
連れてこられたのは仮眠室だ。呆然とするAにあくまで
冷たい口調でそう言い捨てた
「そんな状態じゃまたミスするぞ」
「で、でも……締め切りが」
「俺の言う事が聞けないのか？」
そう言われては反論は出来ない。いたたまれなくなったAは
タオルケットを頭から被り、背を向けてそっと目を閉じるのだった
「……誰もそんな状態になるまで無理しろなんて言ってないだろ」
かなり疲れが溜まっていたのか。頭を撫でられてもAは
目を覚まさず、そのまま軽い寝息を立てている
「何で頼らないんだよ。A」
何故、そう問うても当然答えは返ってこない。その寝顔は
いつぞやの穏やかなものと違ってどこか苦しそうだ
直ぐ側に水と風邪薬を置いて我妻は部屋を後にした
*
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました！ (1月8日 0時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - リクエストありがとうございました🙇♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ！本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません！ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を！ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます！！やはりゆず様のお話どれも最高です…！ (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2023年8月7日 17時
