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「本当に、強情な奴……!前はもっと素直だったのにな……っ!」

「んんっ!」

「その生意気な態度、来栖の野郎にそっくりじゃねぇか」

「違う!」

「何が違うってんだ!」



やっぱり絆されたんじゃないかと忌々しげに呟くと再び
覆い被さる



「嫌い……月麦の兄貴なんか、嫌いです!」

「んな顔で言われても説得力ないっての」



生憎とそれが嘘である事くらい月麦には分かっている



「暴れんなって。傷がついたらどうすんだ」



せめてもの忠告を無視して肩を押し返そうとする手がいい加減
鬱陶しくなった月麦はいとも簡単に縫い付けてしまう



「来栖の兄貴……っ!!」

「!!」



Aは来栖に助けを求めてしまった

それは少し意識を反らしていれば聞き逃してしまう程に小さく
呟かれたが、タイミングの悪い事に月麦にはハッキリと聞こえて
しまったのだ



「よく他の男の名前なんか口に出来るよな……今、Aに
 触れているのは俺だろ」

「も……嫌だ……離して下さい、兄貴……っ!!」



Aを責める資格なんてない事は分かっている。けれども
今更止められる訳がない



「A……っ」



あれだけ近かった距離が今はこんなにも遠くて……汗に混じった
涙がAの頬を濡らすのだった




_______________

___________





「井上の兄貴。そっちにA居ますよね?さっさと
 返してもらえますか」

「元々お前のじゃないだろ」

「貴方のでもないですよね」



Aのスマホには何件も来栖から電話が来ていた

ようやく繋がったと思えば出たのがAではなく月麦だった事で
事態を把握した来栖は怒りを隠せずにいる



「そんなに返して欲しかったら奪ってみろよ。出来るものならな」

「舐めとるんすか」

「つーか要件がそれだけなら切るぞ。これ以上お前と話しても
 意味ないんだわ」

「まだ話は終わってな……」



来栖との電話を強引に切り、Aに向き直る



「A。お前はもう黒澤派……いや、来栖の元になんか
 帰さねぇからな」



涙で瞼がすっかり赤くなっている。寝息を立てる薄い唇に
そっと自分のを重ねた月麦は再び、Aを抱き締めた






「愛してる」



Aが望んでいた囁きは静かに消えていくのだった





*

CODE-EL 鶴城→←獅子王組 井上 ※



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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , バグ大 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございました🙇‍♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時

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