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天羽組 小林 リク ページ19

*短編集1 P39の引用






__いつまでも俺が可愛い舎弟だと思ったら大間違いですからね



その宣言通りにAは小林から猛アプローチを受けていた






「だからね幸真?誰もいないからって抱きつくの止めなさいよ」

「いいじゃないっすかー」


百歩譲って抱きつくだけならまだしも……


「ここ最近、猛暑が続いているのにベタベタと本当に
 鬱陶しい……」


しかしこの鬱陶しいという感情も昔、小林が自分に対して
向けていたものだとすぐに気が付いたのかAは途端に口を
閉ざしてしまった


「気温の上昇と共に俺の思いも上昇してまーす」

「(駄目だこれは……)」

「あ、そうだ。今日速水と飲みに行くって言ってましたよね」

「何、急に?まぁそうだけど」

「キャンセルしておきましたから」

「……何してるのよ!?」


流石にこれ以上は黙っていられない


「本っ当に何なの!?」

「俺の気持ちを知ってる癖に何事もなかったように
 してるのが悪いんじゃないんですか」


確かにこの前の事があってからAはどこか他人行儀……
まではいかなくとも一定の距離を取っていた

それは小林がどうこうではなく、あくまで姉貴分と舎弟。
その関係性を壊したくなかったというのがある

しかしそのどっち付かずの態度がありとあらゆる方面に
迷惑をかける事になるとは想像していなかった


「というか俺にキスまでされてよくそんな態度でいられますよね」

「余計な事を思い出させないでよ」


小林の事を好きか嫌いかと聞かれたら多分好きだとは思う。
正直、こんなアプローチされて悪い気はしない

それならいっその事……


「はぁ……もういい」

「姉貴?」

「付き合うから。幸真と」


これ以上被害が拡大する前に何とかしないといけない。
その為にはこうする以外に方法が無かった


「だからそんな子供じみた真似は止めて」

「……」

「何?急に黙るのは止めてよ」


__ギュッ……


「超嬉しいっす。Aの姉貴」


それは小林にしては珍しい表情であった

若干の呆れが入ってるのもお構いなし。Aが付き合うと
決めた事が余程嬉しかったのか、その腕に力が入る


「俺、絶対に幸せにしますから」

「……はいはい」


屈託のない笑顔。何よりも力強い言葉……とっくの昔に
絆されていたのだと気が付いたのはすぐの事だった






「だから舎弟をいじめるのは止めてよ」

「………気をつけまーす」

「(本当に分かってるかなぁ)」




*

羅威刃 東雲 ※→←・



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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , バグ大 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました! (1月8日 0時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストありがとうございました🙇‍♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ!本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません! (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を!ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます!!やはりゆず様のお話どれも最高です…! (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年8月7日 17時

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