獅子王組 井上 ※ リク ページ16
*中立派姉貴夢主→←←←月麦
Aは黒澤にシノギを教えてもらい、眉済に任侠を教えられた。
両者共に恩義が有る故にこの抗争においてどちらにもつけずにいる
「俺も黒澤も自分の所に来て欲しいと思っているが……
きっと選べないだろうな。Aは」
眉済はさておき問題は黒澤だ。自分の所に連れて行く為なら
手段は選ばないだろう
一体、自分はAの為に何が出来るのかと今この瞬間も
月麦は考えていた
「そんな悲しい顔しないで下さい」
たった二人しかいないこの部屋でそんな表情を浮かべる必要が
あるのだろうか？
「……月麦」
ベッドに縫い付けたその腕は以前に触れた時よりも更に
細くなっている。火照っている筈なのにその肌も血色が悪い
「優しいね。こんな時でも」
「こんな時だからこそでしょう」
中立派のAの立場を分かっているからこそ月麦は表立って
動いてはいない。そんな事をしてしまえばAが板挟みに
なってまで保っている物を壊してしまう事になる
だからせめてこの瞬間だけでも組の事を忘れて……と
願うのは決して悪い事ではない筈だ
「良いんですよ」
そう、Aが決められないというなら自分達が決着をつければいい
「俺はそんなAの姉貴を愛しているんですから」
「……」
しかしどんなに甘い言葉を囁いても今のAには届かない。むしろ
囁やけば囁く程、その顔に浮かぶ悲しみが一層濃くなる一方だ
「私は嫌いだよ……月麦にそんな事を言わせる自分が」
自分の行動がAを苦しめているのは理解している
「ごめん、月麦……ごめんね……」
こうして泣かせてしまったのも自分のせいだ
「私が、もっとしっかりしていれば……」
「仲間思いなのは結構ですが今は俺の事だけを
考えてもらえませんか」
そうでなければ何の為にリスクを負って触れているのかが
分からなくなってしまう
「何も考えなくていいんです……貴方は悪くないんですから」
自分が寄り添う事でAが少しでも楽になれば……そう
思っていたのに実際はただ苦しめるばかり
何も考えなくていい、何も悪くない。それを強く言い聞かせてたのは
自分の為なのかもしれない……月麦は自身を嘲笑う
＿＿黒澤の兄貴の所へなんか行かせませんよ。絶対に
愛する姉貴は絶対に守る。その決意を胸に秘め、未だに泣く
Aの額に唇を落として優しく笑いかけるのだった
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - 楓さん» お待たせしました！ (1月8日 0時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - リクエストありがとうございました🙇♀️ (1月8日 0時) (レス) id: fa3afa321a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» いえいえ！本当なら年内に公開したかったのですが……遅れて申し訳ありません！ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - みはるさん» そんなもったいないお言葉を！ありがとうございます☺️ (1月4日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - リクエストありがとうございます！！やはりゆず様のお話どれも最高です…！ (1月4日 12時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2023年8月7日 17時
