ヒューマンバグ大学 短編集４

羅威刃　秋元 ページ12

*京極組妹分夢主
*秋元side





高城さんが京極組に殺されちゃった

俺にとってあの人は尊敬する男で、憧れで……
何よりも大切な人だった

憎い。憎い。許せない、許せない……今まで感じた事がない
怒りと悲しみでどうにかなりそうだった




「国生。お前って弱いんだなぁ……後輩を守るとか
　大口叩いたくせに」

「ふざけた事言ってんじゃねぇぞボウヤ……！」


さぁて。トドメを刺そうか



「国生の兄貴！！」



振り上げたナイフが国生を捉えようとした……その時。
無視できない人物が俺の視界に映った


「国生の兄貴に何してんのよ……っ！！」


＿＿ガッ！！


突如、割って入ってきたその女はダガーナイフで俺の攻撃を
受け止めやがった。え、待って。この構え方……高城さんと
似てる……？


「何してるんだ！？早く逃げろ！！」

「大丈夫です！もうすぐ応援が来ますからそれまで
　持ちこたえてみせます！」


高城さんの女の人バージョンって感じじゃん……


「ねぇ。あんた名前何ていうの」

「……高城Aですが」

「！！」



＿＿A、元気にしてんのかな……

＿＿A？誰っすか

＿＿俺の歳下の従姉妹だ



「アンタが高城さんの言っていたA……へぇ。そっかぁ」

「もしかして……蓮兄が言っていた……」


俺を見るその真っ直ぐな瞳、高城さんそのものだ


「俺、秋元詩郎っていうんだ」

「……だから？」

「京極組なんか辞めて羅威刃に来たら？君なら歓迎するよ」

「ふざけた事言わないでもらえます？気持ち悪い……」


可愛い。眉の顰め方も、何もかもが

その既視感しかない仕草の一つ一つに俺は喜びを隠しきれない


「拒否っちゃう訳？こんな状況で？」


一つ気に入らない事があるとすれば高城さんは俺を受け入れて
くれたけど、Aは俺を受け入れてくれない

駄目だよそんなの。許さない……だって高城さんはそんな事を
しなかったんだから


「国生の兄貴！A！大丈夫か！？」

「一条……？また邪魔しに来たのかよ……面倒な男だなぁ」


流石に分が悪い。国生に手をかけるのは諦めて退散するとしよう


「A。また会おうねー」

「誰が貴方なんかと！」


京極組なんかにいるから駄目なんだ。早くこっちに呼ばないと




「早く俺に染まってね。A」



あぁ。楽しみだなぁ





*

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