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4 認めたくない ページ9

*





「今帰ったで」

「……」

「そんな怖い顔したらあかん。ほら、おかえりなさいの
 キスくらいしてもらわんと」



__グイッ!



「ちょ、引っ張るなって」

「………」



Aが無言のまま連れて行ったのはお風呂場だった



「早く入って下さい。手当て出来ませんから」

「室屋から聞いたんか」



その問いかけを無視したままAはリビングに戻っていき、
玄弥は軽くため息をつく



「……」


実は今日、カチコミの際に玄弥は怪我を負ってしまった

心配される訳がないと思い、室屋の忠告を無視して帰宅したが……
それを通り越して怒らせてしまったようだ

悪い事をしたと思いつつ、戸狩はAを待たせないように
さっさとシャワーを済ませる事にした




_______________

___________






「何で病院連れて行かなかったんですか!?」

「言うたに決まっとるやろ!!」



一方、リビングではAと室屋が電話越しに激しく言い争っていた



「兄貴分が行かん言うてるのに無理やり連れていけると
 思っとるんか!」

「そんなの殴るなりなんなりして強引に連れていけば
 良かったんですよ!」

「無茶苦茶な事言うな!」



すると扉の向こうから足音が聞こえてきた



「A?そんな大きい声出してどうした?」

「うわっ……上がってきた」

「お前、仮にも夫に対してうわっ……はないやろ?」

「すみません。もう切ります」

「何やねん。騒がしい女やな」



電話を強制的に切ると訝しげに玄弥がこちらを訝しげにジッと
見つめている事に気がつく



「……室屋か?」

「誰でもいいでしょう」

「あんなぁ。妻が夜遅くにコソコソと電話しとるんやで?
 誰でもいい訳ないやろ」

「うるさい。早くそこに座って下さい」

「……はいはい」






腕などにも傷はあるがそれ以上に痛々しいのは背中だった。
闇医者にかかる程ではないのかもしれないけれど放置するには
あまりにも広範囲だ



「どうした」

「え?」

「手止まっとるけど……」



自分の夫は天王寺組内でも指折りの武闘派。そう簡単に
傷なんか負うような人じゃないと信じていたのに



「……どうして怪我なんかしたんですか」

「さぁな」

「……」

「泣いとるんか」

「……泣く訳ないでしょう」



始めに室屋から連絡をもらった時、不安で仕方がなかった

その姿を見るまでもしかしたらもう帰ってこないんじゃないか
とも思ってしまった




「玄弥さん……」






*

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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 夢主自身もだいぶ揺らいでますからね……果たしてどうなるのでしょう😳 (12月22日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» Q&Aありがとうございます!お話に緊迫感が出てきてますます目が離せない展開になってきてますね😳 (12月22日 11時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます!暫くは夢主QAの回答を含むお話が多くなると思います! (12月12日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 更新の大丸さん、国生さん、そして戸狩さん…!イケおじ尽くしで癒やされます…! (12月12日 10時) (レス) @page18 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
こてつ(プロフ) - ゆずさん» 仲間がいて嬉しいです~!いえいえ‼︎逆に宣伝してくださってほんとにありがとうこざいます😭ほんとに楽しみです‼︎ (10月29日 23時) (レス) id: e77a4a71a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年7月20日 17時

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