2 あの日と変わらない君 ページ4
*
それは少し昔の事……
「うちと仲良うしてた組が解散する事になってなぁ。
引き取ってきたんやわ。挨拶出来るか?」
「………黎Aです」
ある日。三國は美しく表情に乏しい若い女を連れてきた
「武闘派ではないが潜入に関して関西で右に出るもんはおらんで」
人材の補填が出来た事にも安堵の声が上がる中、たった一人
驚愕の表情を浮かべたままの男がいた
「同期は……浅倉か。城戸、お前少しの間面倒見てくれるか?」
「承知しました。A、こっち来てくれるか?」
「はい」
城戸に呼ばれたAは自身に向けられた目線が気になったのか。
その方向へ顔を向ける
「………何か?」
「………」
「戸狩の兄貴。何か用事でもあるんですか?」
「いや、そんなんない。はよ行け」
その姿が見えなくなった後も戸狩は扉を見つめたままだった
「戸狩……黎が気になるんか」
真っ先に戸狩の異変に気がついたのは大嶽だ
「大変やったろうなぁ……」
「大嶽の兄貴。何か知っているんですか」
「ずっと差別を受けてきたんやって」
「!!」
「父親が中国人って言うだけでスパイの子や何や
言われてたらしいで」
大嶽の言葉に強く怒りを露わにする戸狩はわなわなと震える
「許せん……許せませんわ。ほんまに」
「まぁお前も気にかけてやってくれ。あの子は出来る女や。
つまらん事で組を止められたら困るからな」
_____________
_________
「お前本当はスパイとちゃうの?」
「違います」
「嘘くさいなぁ。何が目的なん?」
「そんなものありません」
「ホンマにやりにくいわ。こんな力にならん奴が来ても
足手まといやのに」
少し離れた所から聞こえる胸糞悪い会話。戸狩はこっそりと
聞き耳を立てる
一方的にAを責めるその内容は聞くに堪えないものがあった
「はよウチから出ていってくれんか?お前みたいな……」
「死にたいんか」
突然、間に割って入ってきた戸狩に組員は顔が青ざめる。
必死に言い訳をするも、それが聞き入れられる事はない
「Aはそんな女やないで」
「ひいっ!!」
__ドカッ!!
「お前に!Aの何が!分かるって言うんや!?」
絶え間なく与えられる拳や足蹴りに組員はその場に倒れ込む。
だが戸狩はそれを見てもなお攻撃を止めない
「止めて、下さい」
Aが声をかけるまでは……
*
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 夢主自身もだいぶ揺らいでますからね……果たしてどうなるのでしょう😳 (12月22日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» Q&Aありがとうございます!お話に緊迫感が出てきてますます目が離せない展開になってきてますね😳 (12月22日 11時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます!暫くは夢主QAの回答を含むお話が多くなると思います! (12月12日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 更新の大丸さん、国生さん、そして戸狩さん…!イケおじ尽くしで癒やされます…! (12月12日 10時) (レス) @page18 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
こてつ(プロフ) - ゆずさん» 仲間がいて嬉しいです~!いえいえ‼︎逆に宣伝してくださってほんとにありがとうこざいます😭ほんとに楽しみです‼︎ (10月29日 23時) (レス) id: e77a4a71a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2023年7月20日 17時