9 夫婦喧嘩は犬も…… ページ19
*夢主Q&A回答含みます
「お前やっぱり贅沢や」
「……は?」
Aの復帰後、初の仕事は浅倉との巡回業務だった。その中で
聞き捨てならない台詞が横から聞こえてきて、思わず間の抜けた
声が出てしまう
「戸狩の兄貴な。Aが復帰した時に仕事溜まってたら可哀想や
言うて要らん残業してたんやで」
「……」
「城戸の兄貴も手伝ったらしいんやけど残業中、手料理ベタ褒め
しとったらしいわ。おかけでそん時の飯が急遽、中華から和食に
変わったんやけど?」
「そんなの知らんわ」
「何が不満なのかさっぱり分からんわ。傍から見ればええ夫やぞ」
「三國の親父様から言われたから結婚しただけでしょ。
戸狩の兄貴は」
「まだそんな事言うてんのか」
そうだとしてもその後のAへの接し方を見れば本当に大切に
思っていると分かる筈なのに
「何年も経ってるんやで」
「……た」
「何?」
「戸狩の兄貴には……ちゃんと愛されたかった」
それを最後に本部へ戻る間、二人は一言も喋らなかった
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「A!」
二人を出迎えたのは城戸……ではなく玄弥だった
「……浅倉。お前何したんや」
「何もしてませんよ」
「嘘つくな。何もせんのにこんな表情するか!」
「いい加減にして下さい。潤は何もしてない」
Aは冷たく言い捨てる
「仕事終わったならさっさと帰ればいいんじゃないですか?
おかずは冷蔵庫に入れているんでそれ食べて下さい」
「Aの仕事が終わるまで待っとるから」
「帰ってって言っているでしょう」
「……心配もさせてくれんのか」
「貴方に心配なんかされたくないです」
目もくれずその場を立ち去ったAは知らない。酷く悲しそうな
表情を浮かべた玄弥がこちらを見つめていた事に
浅倉は後悔していた。自分の何気なく口にした疑問がAの
機嫌を損ね、更には兄貴分にあの様な表情をさせてしまった……
__戸狩の兄貴にだけは……ちゃんと愛されたかった
その言葉からただ嫌っているのではないと分かったものの
真意は不明だ
何しろAは本当の意味で誰にも心を開いていない。一番
近くにいる玄弥にですらこの様子
「夫婦の事に口出しなんてするもんやないな」
一度口にした言葉は消す事は出来ない。浅倉はしとしと降る雨を
窓越しに眺めながらそう呟いた
*
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 夢主自身もだいぶ揺らいでますからね……果たしてどうなるのでしょう😳 (12月22日 17時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» Q&Aありがとうございます!お話に緊迫感が出てきてますます目が離せない展開になってきてますね😳 (12月22日 11時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます!暫くは夢主QAの回答を含むお話が多くなると思います! (12月12日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 更新の大丸さん、国生さん、そして戸狩さん…!イケおじ尽くしで癒やされます…! (12月12日 10時) (レス) @page18 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
こてつ(プロフ) - ゆずさん» 仲間がいて嬉しいです~!いえいえ‼︎逆に宣伝してくださってほんとにありがとうこざいます😭ほんとに楽しみです‼︎ (10月29日 23時) (レス) id: e77a4a71a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年7月20日 17時