8 心配性な夫とエビチリ ページ17
*
「ええか？ドア開ける時はちゃんと相手を確認してから
開けるんやで」
「………」
「必要な物あれば買って帰るからな。それから」
「いい加減に事務所行ってください！」
大嶽から自宅待機を命じられたAは玄関でそう叫ぶ
「遅刻しますよ！」
「まだ重要な事言ってないんやけど」
「何なんですか！？」
「いってらっしゃいのキ」
「どアホ！朝からセクハラは止めて下さい！この色ボケ男！」
「何でそんなに辛辣なん！？」
半ば強制的に追い出すとAは入ってこられないように
さっさと鍵をかけてしまった
「ちゃんとご飯は食うんやで！？疲れとったら洗い物
そのままにしててええからな！」
「だからさっさと事務所行って下さいって！！」
扉の向こうから聞こえる大声に思わず叫ぶA。ようやく
静かになったのを確認すると頭を抱えるのだった
「全く……」
一人になった部屋でAはあの日の事を思い出していた
「何で絆されちゃったんだろう」
あれは天王寺組に来てから一年が過ぎた頃だっただろうか？
突如、守代を収める会社からAに縁談が持ちかけられた事が
あった
けれども唯一の女構成員かつ潜入捜査の出来る人材を手放したく
なかった三國の意向でAと玄弥の結婚話が持ち上がったのだ
「……貴方は一体、私の何を知っているの」
どんなに酷い言葉を投げても玄弥は決して怒りもせずに
＿＿俺の妻になってくれ。頼む
頭を下げ続けたのだ。もしあの時に断りきっていればその後、
自分に向けられる優しさに罪悪感を覚える事もなかったのに
「私は何も知らない」
愛されたくない。何故なら自分に向けられる愛情に対してどう
答えたらいいか分からないから
「……今日の夕飯どうしよう」
今はただ玄弥が無事に帰って来るのを待つしか出来ないのだ
「エビチリ作ろうかな」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 夢主自身もだいぶ揺らいでますからね……果たしてどうなるのでしょう😳 (12月22日 17時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» Q&Aありがとうございます！お話に緊迫感が出てきてますます目が離せない展開になってきてますね😳 (12月22日 11時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます！暫くは夢主QAの回答を含むお話が多くなると思います！ (12月12日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 更新の大丸さん、国生さん、そして戸狩さん…！イケおじ尽くしで癒やされます…！ (12月12日 10時) (レス) @page18 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
こてつ(プロフ) - ゆずさん» 仲間がいて嬉しいです~！いえいえ‼︎逆に宣伝してくださってほんとにありがとうこざいます😭ほんとに楽しみです‼︎ (10月29日 23時) (レス) id: e77a4a71a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2023年7月20日 17時
