バグ大 イケおじ短編集

獅子王組　眉済　※　リク ページ18

*






「ん？お前、ピアス付けてたのか？」

「前は付けてましたよ」



ふと耳元を見ればほぼ塞がりかかったピアス痕があった



「もうつけないのか？」

「はい。元彼と別れた時に持ってたピアス全部捨て……あ」

「………」



やましい事はないとはいえ恋人といる時に元彼の事を話すのは
流石に配慮がない

まずい、そう思ったAがチラッと眉済の顔色を覗くと……



「へぇ……元彼、な」



口元を引き攣らせながらその痕跡をそっとなぞる



「開けてもらったのか」

「は、はい……」

「そうか」



＿＿カプッ



「ひゃっ！？と、俊之さん」

「流石にここには残せないからな」



軽く齧ると面白いようにAは体が跳ねた。眉済は
そのまま耳元で囁く



「もっといいもん残してやるよ」




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





「こ、これのどこが良い物なんですかっ！」

「良い物だろうが。変な男も寄ってこないしな」



とにかく物凄い数の痕が残されてしまった。キッと睨みつけ
られても眉済はだからどうしたとばかりに肩を竦める



「ピアス痕と違ってちゃんと隠せる所につけただろ？」

「そういう事じゃなくてですね！」

「少し黙れよ」



キャンキャン吠えるAの口を強引に塞ぎ、再びベッドに
引き摺り込むと眉済は少しだけ不機嫌そうに顔を顰めた

そもそもAの元彼発言が原因なのだから何で自分がアレコレ
言われないといけないのか。それが分からなかったのだ



「いいか。そのピアス痕が完全に消えるまで毎日付けるからな」

「は……はい！？」

「あのな？こんなおっさんでも嫉妬くらいはするんだよ。
　よく覚えておけ」



年上だからといって何事も流せる訳じゃない。ましてや相手が
自分よりも随分歳下の可愛い恋人であれば尚更だ



「本当は今すぐにでも籍を入れて囲いてぇんだよ」

「囲いたい……？」

「色々片付いてからじゃないとそれも出来ねえし……ったく
　可愛い恋人を持つってのも難儀だな」

「？」

「人のプロポーズに首を傾げるな」

「え？そんなのされましたっけ」

「………」



籍を入れて……の発言をAはあくまで物の例えとしか
認識していなかった

ここまでされてポヤッとしている目の前の恋人にはもはや
別の意味で感心してしまう





「……ま、お前はそのままでいい」




何故なら今、付き合っているのは自分なのだ。大切なAを
他の男になんか渡すつもりなんて微塵にもない




*

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