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あの日を境に俺とAの関係は悪化したような気がする



「カシラ。これチェックお願いします」

「A、あのな」

「失礼します」



避けられるどころか……これはもはや隔てを置かれていると
言っても過言ではないだろう



「……はぁ」



正直、俺みたいな歳の離れた男には不相応だったのかもしれない。
Aの事を思うのなら告白された時に断るべきだったのだろうか

……今じゃ俺の方が本気になってるな



「(どうにかして仲直りしないとな……)」



その為には俺が歳の差……なんて下らない考えを捨てないと
いけない。そして誠心誠意謝るしかないだろう










「あの、カシラ……今大丈夫ですか?」



小休憩にと喫煙室でタバコを吸っていた時、ふとAが現れた。
久しぶりに俺の元へ来てくれた事に俺は喜びを隠せない



「大丈夫だ。どうした?」



さて、どう切り出すべきか……そう考えていた時の事



「……これ、お返ししますね」

「……は?」



手渡されたのは合鍵。おい、待て



「どういうつもりだ」

「……必要ありませんから」



必要ない、だと……?



「別れるつもりなのか?」

「……だって、好きじゃないんでしょう?でも優しいから
 私の告白を断りきれなかったんですよね」

「何言って」

「カシラにはもっと大人の女の人の方が合いますから」

「おい、話を聞けよ」

「……好きになってごめんなさい」



そう言ってAは喫煙スペースから出て行った

一人残った俺は灰がパラパラと床に落ちている事なんか気づいて
おらず、別れを切り出されたその事実に呆然としていた




______________

__________





帰り際になって急に大粒の雨が振り始めた。こりゃあ早く
帰らねぇと……

そう思った時だった




「え?わざわざ迎えに……でも雨降ってるから大変だよ」



Aだ。誰かと電話している……相手は誰なんだ?



「じゃあお願いしようかな……ありがとう文太」





「その必要は無い」





気がつけば俺はスマホを取り上げ、その相手に圧をかけていた



「Aは俺の恋人だ。二度と関わるな!」



電話を切った俺はAを睨みつける



「俺に別れを切り出したのは他に好きな男が出来たからか?」

「あの、何を言って」

「……他の奴の所へなんか行かせねぇぞ」

「ちょ、カシラ……っ!?」







今更……お前を手放す気なんかさらさら無いんだよ。覚悟しろ







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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時

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