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*阿久津side 1-2
俺には可愛くて可愛くて仕方ない恋人……Aがいる
「A……」
はっきり言って入門当初はただの妹分としか思えなかった
だが鉄火場において格上相手にも一歩も譲らない気の強さを
見せたと思えば睡魔と格闘しながら誰もが嫌がる事務作業に
打ち込む姿を見せてみたり……
それを見た俺がAを好きになるのに時間はかからなかった
「(昨日の事、やっぱり気にしてるのか?)」
俺達はまだ恋人らしい事……どころか手を繋いだ事すらない。
それに業を煮やしたのかどうかは分からないが昨夜、Aは
唇が触れる寸前まで俺に顔を近づけた
ヤバい、素直にそう思った。何がと言えば歯止めが効かなく
なりそうだったからだ
「(何やってんだよ。俺は)」
経験が無いわけじゃない。ただAを前にするとどうしても……
「ガキじゃねぇんだぞ……」
「カシラ?どうしたんですか」
「小峠……何でもねぇ」
俺が悪い。そう、Aの好意を無駄にした俺がだ
……仕事終わりに食事でも誘おう。急ぎの案件もなければ
今日は他の舎弟が見回りに行く
阿久津今日、仕事が終わったら食事に行かないか?
こんなあからさまな誘いをするなんて……我ながら情けない
「(A……悪かった)」
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しかし、終業時間近くになっても返信が来ない
たまたま見ていないだけかもしれない。そう思った俺は
直接聞く事にした
「連絡見たか?」
「あ……ごめんなさい。返信忘れてました……」
嘘をつく時、目を反らす……Aの癖だ
「……そうか」
やっぱり昨日の事が原因だよな
「その……どうだ」
俺は何を聞いている?わざと返信しなかったのだから
誘いは断られたも同然なのに
「ごめんなさい……今日はちょっと」
「そうか。じゃあまた今度」
「……もういいですか?まだ片付けがあるので」
これくらいの事でショックを受けてるんじゃねぇよ、俺。
Aは昨日もっと冷たくあしらわれたんだぞ
食事が駄目ならせめて家まで送ろうと思った俺は終業後、
Aの姿を探したが……
「Aの姉貴なら先程事務所出ましたよ?」
速水にそう言われてしまった。おい……完全に避けられてるぞ
「(……こんな事になるなら意地なんか張らなきゃ良かったぜ)」
今更後悔しても遅かった
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時