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*【城戸・浅倉編】






「きーちゃん!」

「な……どうしました!?」

「大変や!例の喫茶店で……苺パフェ始めたんやって!」

「ホンマですか!?」

「しかも期間限定やって!こうしちゃおれん……潤ちゃん!
 何ボーっとしとんの!君もはよ行くで!」







__大阪 某喫茶店にて



「Aの姉さん、城戸の兄貴……いったいなんぼ食べたら
 気が済むんですか」

「在庫が無くなるまでや。ね?きーちゃん」

「姉さんに負けんくらい食いますよ」

「(腹壊しますよ。二人共)」


次々に空いていくグラスを見るだけでも寒気がするが二人は
そんな事を気にせず追加の注文を頼む……浅倉はその傍らで
静かにコーヒーを飲むのだった



__ガチャンッ!!



「「「!?」」」

「おい!このコーヒー熱すぎるわ!火傷したやんか!」


とある男性の客がアルバイトの女の子に怒鳴りつける声が
店内に響く


「……城戸の兄貴。あれ」

「クレーマーか?」


二人がひそひそ話をしていると男は更に声を荒らげる


「おい!どうしてくれるんや!」

「す、すみませ……」

「声が小さいんや!ちゃんと謝らんかい!!」




「コーヒーは熱いに決まっとるやろ。兄ちゃん」




颯爽と女の子の前に立ち塞がったのは先程までパフェを堪能
していたAだった


「このアマ!関係ない奴は引っ込まんかい!!」

「ほんなら自分は何の権限があって私のつかの間の休息を
 邪魔しとるん?アンタが退くのが筋ってもんやないの」

「偉い回る口やな!表出ろや!」


雲行きが怪しくなってきた。城戸と浅倉は顔を見合わせて
その男の元へ向かおうとした……が



「……上等や。日の目見れんようになっても文句言えんで」



たった一言なのに。男は勿論の事、城戸と浅倉も歩み寄ろうとする
味が固まってしまった


「!!す、すんません」


その気迫に気圧された男は反射的に謝るも既に遅い


「自分が売った喧嘩やろ。買ったるから最後までやろうなぁ」


命の危機を察したのか男は情けない声を上げながら店を飛び出す。
するとAは自身の後ろに隠した店員に微笑みかける


「騒がしくしてすまんなぁ。あの兄ちゃんの会計、私が
 払うから堪忍してな?」

「は、はいっ!」






「俺等の出る幕ありませんでしたね。兄貴」

「気迫だけで追い払うなんてまさに喧嘩師やな」

「二人共。何話してるん?私も混ぜてなー」


オーナーから迷惑客を追い払ったお礼として特別なパフェを
ご馳走してもらったAは大層機嫌が良かったとの事




*

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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時

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