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ページ46

*【陣内編】






「姉さん」

「陣内?なしたん」

「俺だけどうしてストレートの名字呼びなんですか」


戸狩は玄ちゃん、椎名は和ちゃん。城戸はきーちゃん、浅倉は
潤ちゃん……


「だってちゃん付けするような顔しとらんし」

「………」


実にシンプルな理由。それでいてハッキリしている


「俺だけ差別せんといて下さい」

「面倒いわぁ。ほんなら次のカチコミ一人で行ってな?
 それで無事に帰ってきたら呼んだる」

「その話、忘れんといて下さいよ」




_________________

_____________





「こちとら姉さんとの約束があるんじゃボケ!!
 さっさと逝けや!!」

「リフジンッ!」

「ドユコト!」


非常に荒々しかった。最短ルートで敵将に辿り着いた陣内の
表情はもはやそれだけで人を殺せそうな程に険しい


「て、天王寺組か!?」

「ああそうや!何か文句あるんかボケ!!」


陣内の構えるナイフが心臓を捉えた……その時



「ボケはアンタやで。陣内」



突如背後から放たれた弾丸に陣内は敵将から離れる事を
余儀なくされた


「何しとるん?ソイツにはたぁくさん聞きたい事あるゆうのに」

「すんません」

「すみませんちゃうやろ。らしくないで?」


しかしこの暴走の原因が自分にあるのも自覚している。Aは
それ以上、小言を言おうとはせず敵将を舎弟に運ばせると陣内に
駆け寄った


「でも賭けはアンタの勝ちやで。賢ちゃん」

「……!!」

「無事で良かった」


陣内がそう簡単に倒されるとも思っていなかったけれど……


「意地悪してごめんな」

「別に気にしてません。それに」


自分なんかよりも小さい手をそっと包み込む


「こうして姉さんに名前で呼んで貰えたんですから」

「……アホ」


ほんの少しAの顔が赤くなっていた事に気がつくもそれを
指摘する程、自分は無粋ではないつもりだ

先程までの苛立ちが嘘のように晴れていくのを感じた陣内は
帰りの道中、何度も何度も名前を呼んで下さいとお願いをし……


「しつこいわ」


と、一蹴されたそうな




*

・→←天王寺組の喧嘩師な姉さん



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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時

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