お隣の国生さん ページ34
*
「Aちゃんに気がありそうね」
オーナーの一言にAは目を見開いた
「し、仕事中に何を……」
「だってあの人、注文も追加オーダーする時もAちゃんに
ばかり頼むじゃない？」
Aの視線の先にいる人物……
「……美味いな」
「(か、カッコいい)」
まさに大人の男。スーツ姿も決まっていればコーヒーを
飲む仕草さえも様になる
しかし。それに釘付けになるのはAだけでなく、他の
女性客も同じだった
＿＿あの人、カッコよくない？
＿＿今度、相席しちゃおうかしら
＿＿無理よ。この前、断ってる所見ちゃったもの
「追加オーダーいいか？」
「は、はいっ」
確かにオーナーの言う通りその客はAがいる時はAに
しか話しかけない
「今日の日替わりケーキは何だ？」
「あ、えと……チョコケーキです。オレンジピール入りの……」
「Aさんが作ったのか？」
「は、はい」
「ならそれを頼む。君が作ったなら美味しい筈だ」
こんなやり取りがここ最近のAの細やかな楽しみになって
いるのは言うまでもない
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
その日の晩は降水確率ゼロと聞いていたのにこのどしゃ降りは
なんなのか
「……最悪」
傘なんて持っていない。既にずぶ濡れのAは急いで
家に帰ろうとしたその時
「……Aさん？」
「え？あっ！」
突然、後ろから声をかけられ振り向くとそこには……
「傘ないのか？」
「そうなんです……あはは」
例の客が驚いた表情でAを見つめていた
「今からタクシー拾って帰るんだが乗っていくか？」
「え？」
「早く帰らないと風邪引くぞ」
少し躊躇したけれどそのご尤もな指摘に何も言い返せなかった
Aは申し訳ないと思いつつ、好意に甘える事に
タクシーを待つ間、雨に濡れて寒くなった体を縮こませていると
その客は自分の着ていたジャケットを羽織らせた
「あの、これじゃあ風邪を引いちゃいますよ」
「俺は平気だ。それにAさんが風邪を引いて美味い
コーヒーが飲めなくなる方が困る」
最初こそこの雨を恨めしく思ったけれど、今は少しだけ
感謝している
でもその幸せもタクシーから降りてしまえば終わる……
それでもAは幸せだった
*
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です！天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです！可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…？！なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした！ (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました！第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです！✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2023年6月3日 22時
