ヒューマンバグ大学 中編集

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CODE-ELは事実上、解体する事になった。その機能と人材を
吸収して日本に進出を図る組織はこの日、御前に呼び出されていた


「お話とは何でしょう」

「毛利班の事だ」

「……毛利班ですか」

「奴等は私の情報をリークしただけに飽き足らず私の妻まで
　奪い取ったのだ。到底生かしておけん」

「貴方の命令とあらばなんなりと……しかし奴等は
　抹殺するとして奥様は」

「見つけ次第、すぐに教えろ。愛する妻を迎えに行く役目は
　夫である私……そうだろう？」

「末端にもそのように指示を出します」


正直、自分達が連れてきた方が御前にとってもリスクがない。
しかしここで要らない発言をしては自分の立場も危うくなる

自分達の内心はさておき御前の命令にすぐさまそのように返した


「期待しているぞエルペタス。CODE-ELのような粗末な
　終わりを迎えないように」

「お気遣い感謝致します」


上辺の気遣いは脅しでもある。御前にとってはどの組織も
結局のところ駒でしかないのだ







「A」


久しく見ていないその存在があまりにも恋しい


「早く帰ってきなさい」


今度こそ逃さない。その身体に自分を徹底的に教えこんで
他の事なんか考えられないようにする

Aに求める事は一つ。自分だけを見て欲しい……
ただそれだけだった


「……少しはお前に構う時間も作ってやろう」


御前が反省した事があるとすれば仕事を理由にAを
放っておいた事くらいだろうか

いずれにしても自由を求めての行動が結局、御前の執着心を
より強くしてしまった事をAはまだ知らない





「愛しているぞ。A」



幾度となく囁いたその言葉は当然、Aに聞こえる筈もない





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