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「!!貴方は……」


アジトに響く毛利の驚いた声。それにつられるように
メンバーは慌てて部屋に集まってきた


「どうやってあの屋敷から逃げ出して来たんですか!?」

「毛利さん……お願い。助けて下さい」

「足怪我してるじゃない!?」


カリンの目に入ったのは血だらけになった足。そう、Aは
靴も履かずに逃げてきたのだ


「ひとまずこの子をお風呂に入れるわ」

「あぁ。頼むぞカリン」


異様なのはそれだけではなかった。明らかに何かをされた
痕跡が残るその体をまずは綺麗にしてあげないといけないと
カリンは咄嗟に思った

部屋に残った龍臣、ジェイク、バースは突然の訪問者に
未だ驚きを隠せずにいる


「……あの可愛い子は誰なの?」

「ジェイク。あまり軽々しい言い方をするな。あの人……
 Aさんは御前の内縁の妻だ」

「「「御前の!?」」」

「かつて一度だけお見かけした事があったが……」


その時から毛利は心配していた。籠の中の鳥以上に自由を
奪われているAの事がずっとずっと気がかりで……


「刺客という可能性はないのか?」


今はEL本部と戦争の真っ最中。バースがそう疑うのも無理はない


「それはあり得ない。御前はAさんを徹底的に囲う為に
 その存在をEL本部の中でも限られた人間にしか知らせて
 いないんだ。事実、お前達も知らなかっただろう?」


幹部でさえも知らない人間の方が多い。刺客として利用する事すら
不可能なのだ


「で?どうすんの」


龍臣が何を問うているのか分かったのか。毛利は口を開く


「逆に好都合かもしれん」

「どういう事だ?」

「Aさんがここに来た以上、本部は我々に対して下手に攻撃を
 しかける事が難しくなっただろう」


流石の御前もEL本部にAの事を説明せざるを得ない筈と
毛利は考える

あれだけ厳重に囲っていた事を考えれば本部も御前の意向を
伺いつつ動かないといけない。ほんの僅かにではあるものの、
主導権を得るチャンスかもしれないAのこの行動に毛利は
複雑な表情を浮かべつつ……


「これである程度は本部の動きも読めるようになった。
 ……Aさんには申し訳ないが利用させてもらう」




たった一つの道筋にすがりたいのは毛利班もAも
同じなのだ





*

・→←執着心 御前+毛利班



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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時

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