執着心 御前+毛利班 ページ29
*年の差夫婦
*御前の人物像を捏造しています
虫の鳴き声がやけに大きく聞こえる深夜。御前はAを
腕の中に収めたまま、その青ざめた肌をそっと撫でた
「A」
その表情は酷く穏やかだ。しかし名前を呼ぶ声には
怒りが滲んでいる
「何故私の元から逃げようとする」
「……っ」
二人の関係は夫婦というより主従関係に近いものを感じる。
A自身もそうであれば良かったのにと何度も思った
「私は忙しい。あまり手を煩わせるような
困った真似はしないでくれ」
結局、御前からすればAが何をしても戯れ程度にしかならないが
流石に今回の屋敷から逃げようとした事については無視出来ない
「……いい加減に自分の立場を考えなさい」
上手く言葉を紡げない震えた唇に噛みついた御前はその
陰のかかった笑みを更に深める
「A。お前は私の妻だ」
勝手に離れる事なんか許さない
「さて……簡単な言いつけもまともに守れない子には
罰を与えないとならないな」
「っ!」
「何も折檻をする訳ではない。そう怯えるな」
そう告げてAを抱えて向かうのは寝室。ベッドに荒々しく
倒すとこちらを不安げに見つめてくる瞳と視線が合った
「可愛らしくしていれば少しは優しくしてやろう。
あまり抵抗してくれるなよ」
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御前は用意周到だ。自分がAの側にいられない時は
腕利きの監視を複数用意して絶対に逃げられないように
対策を取っている
「一緒に入るか」
「……」
枕に顔を埋めて無言で首を横に振るAの姿に御前は
堪らず笑みが溢れた
「そのままでは汗で気持ち悪いだろう」
「……嫌。一人で入ります」
「そうか。なら先に入るぞ」
張り付いた髪を払ってこめかみに唇を落とすと御前は
シャワールームへ向かった
その瞬間、Aはゆっくりと体を起こす。先程まで散々と
貪られた為に気怠さが残るものの、そんな事を気にしている
場合ではない
「……私は、貴方の人形じゃない」
元々自分の荷物なんか殆ど無い。この時ばかりはこれが逆に
都合が良かった
黒い服を身に纏えば闇夜に紛れる。帽子も被り、Aは窓を
そっと開けた
「さようなら」
その言葉は当然、御前に聞こえる筈もない
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時