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*





「なぁ。そんな離れんでもええやろ」

「だって……」



穴があれば入りたい。まさかシャツを握りしめてそのまま
寝落ちして……気がつけばその持ち主が帰ってきていて、
その光景を見られていて

翌朝。しっかりと目が覚めたAはそれらの事だけでなく
いい匂いだの一緒にゆっくりしたいだの……そんな台詞を言って
いた事を思い出し……



「可愛い所見れたんやから俺はええけどな」

「意地悪……」



せっかくの休みなのだから距離を置かれたままでは困る。
逃げられないように後ろから抱きしめるとAは分かりやすく
アワアワし始めた



「じょ、丈一郎さん!」

「久しぶりに充電させてな」



寂しい思いをしていたのは何もAだけではない。城戸も
同じなのだ

いくら忙しいとはいえAを忘れる事は無かったし、寧ろ
そうなればなる程……恋しく思えて仕方がなかった



「ゆっくりしたいんやっけ?」

「ん……」

「少しの間、仕事も落ち着いとるし……出かけるのは
 そん時でも行けばええか」

「……」



それを聞いた瞬間、Aは嬉しそうに目を細める。分かりやすい
反応に城戸もつられて笑ってしまう



「Aはほんまに分かりやすいなぁ」



言葉で言わずとも、その仕草や表情が気持ちを教えてくれる。
それで十分だった



「丈一郎さん、丈一郎さん」

「ん?」

「何でもないです」

「そうか」



今日は随分とご機嫌だ。そして城戸も久し振りに触れる事が
出来て安心したのか、その腕を解こうとしない



「そう言えばお帰りなさいのキスもらってなかったな」

「!!」



この体制ではAに逃げ道などない



「んっ、丈一郎さ……」

「一回で済むと思わんといて。俺、めっちゃ寂しかったんやから」



その寂しさを埋めるように何度も何度も唇を重ね……



「もう、止めて下さい」

「つれないな。まだ足りんのやけど」

「………」

「嫌や思ってないんやろ?ただ恥ずかしいだけとちゃうんか」



どうやら全てお見通しのようだ



「ほんなら尚更、離せんなぁ」

「丈一郎さ……っ」






寂しがりな二人はとてもとても甘く、暖かくて幸せな
朝を迎えていたのだった





*

決意 天王寺組 渋谷 ※ リク→←・



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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時

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