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結局、昨晩の微妙な雰囲気のまま朝を迎えた
「ほな行ってくるで」
「……気をつけて下さいね」
「お見送りのキスはないんか?寂しいわ」
「早く行って下さい」
城戸は強引に顔を近づける。急に目前まで迫る整った顔に
Aは思わず後退りしてしまった
「……流石にそれは傷つくで」
「ご、ごめんなさい」
これでは埒が明かない。逃げられないように肩を掴み、そのまま
強引に唇を重ねた
「ん……これで頑張れそうやわ」
今度こそ城戸は天王寺組本部へと向かうのだった
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「私、何やってるんだろ……」
快く見送りたかった。だけど……
「嫌われるよね……こんな事していたら」
困らせないように、未練がましくしないようにと振る舞えば
する程……余計に寂しさを感じてしまう
Aに足りない物があるとすれば……それは正直に気持ちを
打ち明ける素直さだろうか
「丈一郎さん……」
とにかく城戸は既に仕事に向かったのだから今更悔いても
仕方がない。家の事を任された以上はしっかりと守らなければ……
しかし。この日、Aは非常に様子が変だった
「あ……作りすぎた」
ついいつもの感覚で食事を作ったかと思えば……
「あ……お皿割っちゃった」
お気に入りの食器を割り……
「……どうしよう、寝れない」
ベッドに入っても中々寝付けず……この日は一日中、こんな調子だった
「……」
いつ帰れるとも言わなかった事を考えると本当に忙しいのだろう
何となく察しはつくからこそ、メールも電話をしない。
……ただ、それは余計に寂しさを増長させていた
「丈一郎さん……」
早く帰ってきて下さい。そんな些細な思いさえも口にしたくない
結局、Aは寝不足のまま朝を迎えるのだった
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時