寂寞 天王寺組 城戸 リク ページ17
*
「ごめんな。少しの間、忙しくなりそうなんや」
夕飯を二人で食べている最中、城戸がふとそんな事を言った
「分かりました」
「寂しくないんか」
「はい」
この聞き分けの良さにだいぶ救われているのだと城戸は
度々……いや、いつも思っている
「お土産何がええ？何でも買うたるから遠慮なく言ってな」
お土産なんかただの口実。罪滅ぼしとは少し大げさかも
しれないけれど、何かをしなければ気が済まないのだ
「……ごちそうさまでした」
しかしAは何も答えず、あっさりと食卓を離れた
「えーと……ケーキがええか？それとも」
「丈一郎さん。先にお風呂入ってきますね」
「あぁ……分かったわ」
「お茶碗は下げるだけでいいですから。上がったら洗います」
何か気に触るような事でも言ってしまったかと思ったけど
何処となく追求すべきでないと思った城戸はその後、黙々と
食事を取り……Aがお風呂から上がってくるのを待っていた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「一緒に寝てええか」
「……」
と言いつつ、既にベッドに潜り込んでいる城戸にAは
ため息をつく
「……」
「俺だってAと居たいんよ」
「……そういう事じゃないんです」
「なら何でそんな機嫌悪なってるか教えてくれん？」
A自身、何故こんなに素っ気なくなるのか分からなかった
「……分からないんです。自分でも」
「……そうか」
時刻は深夜１時。雨がしとしとと振り始めている
「……雨降っとるな」
「……はい」
「お月さんも隠れとるで」
「そういう時もありますよ」
全く持って不自然な会話。しかしそうでもしなければ
間が持たない
大した話題もなく、すぐさま二人の間に沈黙が流れる
「……寝たか？」
「……」
返事はない。けれども城戸は気にせず話しかける
「……なるべく早く帰ってこれるようにするから」
「……」
「なぁ。無視せんと……って、本当に寝とるんかい」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です！天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです！可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…？！なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした！ (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました！第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです！✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2023年6月3日 22時
