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*和中side






穏やかに寝息を立てるAは美しい。先程までこの形の良い
唇が俺の名前を何度も呼んでいた

そう考えると一度落ち着いた筈の熱が再燃するような感覚がした
……だが、やらないといけない事がある



「……何処の誰かは知らんが俺の妻にいらない不安を与えた
 報いは受けさせるぞ」



その男は想像したのだろうか

こんな風に首筋にも、太ももの付け根にも。背中にも
自分の物だという証を残すことを



「………」



だがそれも叶わぬ夢。全て俺のものだ



「ん……」

「……起こしたか?」

「あれ……私……」

「すまん。無理をさせたな」



どうしてもAを求めてしまう。なるべく二人きりの時間を……
とは思うが命令があればそれが夜中だろうが明け方だろうが
動かなければならない



「蒼一郎さ……ん」

「っ!」



ぼんやりとした思考では俺の名前を呼ぶのも舌足らずに
なってしまう

だが、それもまた唆られる。華太への連絡はもう少し後だ。
今はこの腕の中にある温もりを堪能したい



「やだ……もう終わったのに」



随分とつれない事を言うんだな。だがそんなやんわりとした
断り方でこの熱が冷める筈がないだろう?

むしろ、どんどん帯びていくだけだ



「……いいだろう」

「っ、まだ何も言っていないです……」

「聞くつもりもないからな」

「勝手すぎますよ……っ」



そういうAもまた、体が火照り始めている。全く……それで
よく人の事が言えたものだな



「そんなの今更だろう?」

「だから、駄目で……っ!」

「……」



あまり意地を張るのは可愛くないぞ。A



「お、怒りますよ」

「………そうか」



……前言撤回だ。可愛い、可愛過ぎる



「文句なら後でいくらでも聞く」

「ちょ、蒼一郎さんっ」





止めようとするAの声を無視して俺は再び、この
愛おしい存在を堪能する事にした




*

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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時

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