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*Aside
好きで好きで仕方なくて。だけど私みたいな歳下の事なんか
普通にしてたらきっと相手にしてくれない
だから兄貴達に協力してもらって、自分から告白をして
やっと恋人になれた……なのに
「逃げんじゃねぇよ」
「いっ、痛い……やめ……っ!」
怖い。こんなの敏郎さんじゃない
「逃げるなって言ってるだろうが」
身体中に残された噛み跡がズキズキと痛む。確かに私は
もっと関係を深めたいと思っていたけれど……こんなのは
あんまりじゃないですか……
「こっち向け」
「嫌、怖い……っ」
「……っ」
頬に手を置かれ、半ば強引に正面を向かされると怒っている筈
なのに何故か悲しそうな顔をしている敏郎さんと目が合った
「結局俺みたいな歳の離れた男より他の奴が良いって事か」
そう言うと唇を強引に重ねてきた。まるで噛みつくような
それは私が息苦しくなっている事なんかお構いなしだった
「そんな簡単にっ、離れていくなら好きだなんて言うな!」
「待って、話聞い……っ」
「人の気持ちを弄びやがって……!」
何とか距離を縮めたかっただけなのに……何で……こんな……
_____________
________
「悪い……A。悪かった」
あれからどれくらい経ったのか分からない。けれどカーテンの
隙間から覗く空の色はほんの少しだけ明るかった
「好きなんだよ」
「と、敏郎さん」
「別れたくない。頼む……」
「……」
「だから文太って野郎とは縁を切ってくれ……!」
「……あの、何でそこで文太の名前が?」
「そいつと付き合ってるんだろう?分かってる。Aを
袖にし続けた俺にはそんな事言う資格は……」
「付き合ってませんよ」
「……は?」
「付き合ってませんよ?」
「え?」
「すみません。何で文太の名前が出てくるんでしょう……?」
「電話してただろうが」
……もしかして、あの時の?
「聞いていたんですか」
「……あぁ。随分嬉しそうだったよな」
どうしよう。凄く誤解されてる……しかもかなり複雑に……
「敏郎さん……今日、確かお休みでしたよね」
「あぁ」
「会わせてあげますよ。その文太って人に」
こればかりは実際に会わせないと誤解が解けないよね……
「もしもし?文太、ごめん朝早く……あの、お店開けて
くれないかな。他の人に聞かれたくないから……」
「もちろん!Aの頼みなら喜んで」
*
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時