・クッキーに混ぜ込んだ悪意 ページ10
聞き慣れた歌で、Aは目を覚ました。
昨夜は、眠らずコネシマについて行っていたため、Aの体は鉛のように重く、動かない。
這いずるようにして、ベッドから出て、冷たい床に寝転がり、目を覚ます。
夏のくせに、妙に冷たい床は、気持ちがいい。
コネシマを起こしに行くまで、後20分。
寝間着から軍服に着替えるため、Aは立ち上がった。
来て二日目。
まだ、Aはこの軍服を見慣れなかった。
適当に髪をとかして、寝間着を脱ぎ散らかす。
後からこの部屋は他人が掃除するのだと、気づき、慌ててAは色々なものをたたみ始めた。
やることをすべて終え、Aが時計を見たとき、残り時間はあと3分だった。
『やば。』
遅れれば、何をされるかわからない。
鍵だけ持って、Aは自室を飛び出した。
コネシマや、幹部が寝る部屋は、Aの部屋の２つ上である。
つまり、5階。
要塞の寝室棟�� は9階までのため、ちょうど真ん中だ。
敵が一階から入ったとき、十分な用意ができるように。
また、空襲されたとき、逃げやすいように。
２つの実用性で、5階となっている。
天井はそんなに高くないが、その上のダクトが広いため、従って階段も長い。
若干息を切らしながら、Aはコネシマの部屋まで駆ける。
侍女が動き回るには少し早い時間なため、道は空いていた。
残り一分で、Aは辿り着き、コネシマの部屋のドアをノックする。
返答がない。
やはり、言っていたように寝ているのだろうか、と思いながらAは部屋に入る。
部屋の中は、Aの部屋の二倍の大きさがあり、簡易シャワーまで揃っている。
一人には大きすぎるベッドの上で、コネシマは規則的な寝息を立てていた。
(スパイにうってつけの顔......)
コネシマの顔をまじまじと見ながら、Aは手を伸ばす。
眉目秀麗とはまさにこのことだ。
スパイは能力と顔で選ばれる事が多い。
何度かそういう事もしているのか、と思いながらコネシマの肩に触れる。
起きる気配はない。
そろそろ、起こさないと叱られる。肩から手を離して、Aは声をかけた。
『コネシマ様、起きてください。』
その声に答えるように、コネシマは目を覚ました。
「来とったんか。」
『来いって言ったじゃないですか。』
「......せやったわ。」
なんの中身もない短い会話をして、Aは部屋を出ようと、ドアノブに手をかけた。
「行くな。」
その声が誰のものか、一瞬Aはわからなかった。
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2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
