、 ページ8
「これで全員揃ったか。」
席が一つ空いている。
それを何事もないかのように、グルッペンは話していた。
自身に見えないものがいるのかもしれない、と思いながらAは、コネシマの後ろに立つ。
「コネシマが、犬を拾ってきた。」
その言葉に、小柄の男が口を開く。
「どこからどう見ても人間の女の子やん。しかも、俺が見たことない子。」
A側からは、男の顔が見えないが、多分不満を呈している表情であることは、伺えた。
(部外者がいきなり入ってきても、オーケーとはならないよな。)
「まあ、そうだな。犬、というのは比喩だ。此奴の名前は、A。さて、諸君。Aを軍に入れることを良しとするか？」
不思議と、グルッペンに、僅かな笑みが見える。
拾ってきたコネシマは、何も言わず、頬杖をついて、周りを眺めている。
しばしの沈黙の後、ゾムが口を開いた。
「俺は賛成。こいつおもろいもん。」
先程の、少し緩んだ口調を崩さずに、Aに向かって笑みを向ける。
「まあ、コネシマさんが選んだんだから文句は言いません。俺も、同類なんで。」
ヘルメットをかぶった男が、コネシマを見ながら、淡々とした声で言った。
「ショッピくんの場合は、シッマの後輩だったじゃん。でも、その子は違うよね？」
白いマスクを付けた、刀を持った男が、Aに視線を向けながら言う。
「大反対やねんけど。だって、敵やったやつやで？こっちの軍の人間、やってるやん。それは罪になるで。」
シャオロンが、Aを睨みつけながら、テーブルをとんとん、と指で叩く。
少し苛立っている。
「いいんじゃないですか。コネシマさんの選んだ人間です。問題はないでしょう。」
琥珀色の瞳の男が、穏やかな笑みを浮かべて、言った。
賛成と反対にきっぱり分かれ、議論は終わらない。
Aに賛成しているのは、コネシマとショッピ、ゾム、エーミール、グルッペン。
その他はあまりいい顔をしていなかった。
鬱は、軍人にせず、ただただ飼うんやったらええんちゃう？と笑みを浮かべている。
発言に、Aは顔を僅かにひきつらせる。
そんな中、今まで発言していなかったコネシマが口を開いた。
「Aは、泥水を這ってでも、生に執着するか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 596人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
