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「俺は、感情の赴くままに動くことが多い。」
2歩後ろを歩く、Aに向かってコネシマは言った。
その事実は、A自身、身をもって知っていたし、それは軍人として如何なものかとも思った。
「あの要塞に俺と一緒に来た奴。盗賊出身や。人員増加のため、仕方なく雇った奴やった。俺、彼奴等、嫌いやってん。」
淡々と、小さな声で話していくコネシマには、Aの顎を掴んだ時の荒さはなかった。
それなら、助けてくれたって、とAが言いかけたとき、それを封じるようにコネシマが言を紡ぐ。
「負け犬は基本的には好きに使われて死ぬ。お前は異例な。俺は彼処にいた奴らを、言葉で手にかけた。お前は生のために味方を裏切った。」
その言葉に、Aは何も言えず、黙り込む。
部下を見捨て、みっともなく敵に頭を下げて生きながらえたのは、事実だった。
「俺もお前も共犯やねん。恨むなよ。」
そう、放ったコネシマの顔は無表情だった。
生きていることが罪である、と自身に呪いをかけて、Aは静かに頷いた。
Aの案内された部屋は、狭く、だが使いやすいといった場所だった。
クローゼットには軍服と寝間着が入っており、ベッドには真新しいシーツがひかれている。
少し目を輝かせたAに、コネシマは紙を差し出した。
「普段の予定表や。目、通しとけ。今日の夕飯は俺が持っていく。」
俺は仕事があるから、とコネシマはドアノブに手をかける。
何を思ったのか、振り向いて言った。
「この後、誰に何を言われても下を向くな。前を向け。」
そうせんと、その場で平手打ちするからな。
びく、とAの肩が動いたのを見て、コネシマは出て行った。
足音がしなくなったのを確認して、Aは血で汚れた軍服を脱ぎ始めた。
体が汗と血でべとべとして気持ちが悪い。
これが、勝者の姿であれば、英雄と讃えられたのだろう。
だが、Aは命のために、敵に投降した敗者で、馬鹿と嗤われるだろう。
『それでもいい。』
屑だとか、馬鹿だとか、愚者だとか。
自分の心臓を掴んでいる、コネシマに握りつぶされなければ、それでいい。
後悔の味を知ったところで、舌に苦味が纏わりつくだけ。
独り言を呟いて、Aは笑った。
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2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
