・憎い憎い、詐欺師サン。 ページ40
「Aさんからのお誘い、とっても嬉しいわ。」
ニコニコと何時も通り笑みを浮かべたルピナスを、Aは眺めた。
彼女は、きっと、自分を憎んでいるのだろう。とAは予想していた。
わざと、隅っこのテーブル席に着き、Aはオムライスを食べる。
事実がわかった後は、Aの目にはルピナスが、余計に完璧な人間に見えた。
皮肉なことに。
何時ものように食べすすめ、ルピナスはスプーンを置いた。
カチャリ、という音もルピナスが出せば、美しい。
そのタイミングで、Aは口を開いた。
『ハウチワマメをご存知ですか。』
その言葉に、ルピナスの眉がぴくり、と動いた。
「ええ、知っているわ。」
そう言って、ルピナスは食器を片付けに、席を立った。
逃げたいのだか、場所を変えたいのだか、Aにはわからなかったが、とりあえずついて行く。
ルピナスが、歩く方に歩いていると、人気がなくなってきた。
非常階段を下りきった先には、ハウチワマメが咲いている。
『どうしてご存知なのですか？』
「だって、私の名前でしょう？β国の要塞に、咲いていたでしょう。あれは綺麗ね。」
そう言って、ルピナスは、あ、と小さな声を上げた。
彼女の笑みが少し剥がれ落ちる。
『どうして、それをご存知で？まさか。』
そこで、Aは静かに深呼吸をする。
『β国の軍関係者の人間ですか？』
Aの言葉に、ルピナスの笑みがぼろぼろ落ちていく。
仮面の先は、光を失いかけた目だった。
ルピナスの髪と、花が揺れる。
沈黙の後、ルピナスは口を開いた。
「知っていて、言ったのね。」
卑怯者、とルピナスの口から地を這うように、低い声が流れる。
「貴方のお父様は、優しい方なのに。どうして、貴方は母に似たの。」
ルピナスの息が荒くなっていく。
彼女は一歩ずつAに、近づいていた。
今度こそ、命を落とすかもしれない。
と、Aは身構えた。
「貴方なんて、大嫌い。昔からそう。あの方のような、勇気も強さも持ってない。ぐずぐず泣いてばっかりで、軍学校でも成績は平凡。それなのに、愛を受ける、貴方が嫌い。憎い、憎い。」
Aの精神を、ルピナスが突き刺していく。
なんとか、感情を押し留めて、Aは口を開いた。
『そんな、貴方が憎い、憎いと思っている相手から、提案です。
私はあの日を後悔しております。許されるとは思っちゃいません。でも、仲間のために。』
そこでAは息を吸った。
『グルッペンを撃ちませんか。』
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2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
