・食後のケーキは苦かった。 ページ37
ドアノックは三回やで、と大分前にコネシマに言われた通りに、Aは三回ノックした。
『Aです。入室してもよろしいでしょうか。』
いいゾ、という声に食いぎみに、Aは扉を開いた。
初日に入ったので、見たことはあるが、改めて広さを実感させられる。
部屋の中にはグルッペン一人のみだった。
トントンは、自室に戻ったらしく、ペンも書類も一人分だけだ。
『この紙を、呼んでいただけますか。』
Aの少し震えた声に、何故かグルッペンが急いで、紙を手に取る。
紙の血は、男の血ではない。
この紙を持っていた、幹部が自決したのを見て、胸ポケットから男が直接抜き出したものだ。
と、後ろに前置きのように書いてある。
くる、とグルッペンが裏面をめくると、コンピューターで打った文字が、並んでいた。
〈掃討戦時、
ルピナス=エンプトムを使って、総統を撃つ。〉
破られた紙で、後の文章はわからないが、これだけあれば、充分だった。
グルッペンは信じられない、といった目で、文章を何度も読み直す。
黙り込んだグルッペンにAは話しかけた。
『きっと、コネシマさんの腕により、β国の人物情報は漏れたでしょう。そこから、ハウチワマメ、と検索をかけてください。』
あまり、大事にはしたくないので、とAは口の前で人差し指を出した。
Aの言葉に、乾いた笑いをグルッペンは絞り出した。
そうすること以外、何をやればいいかわからない。
「天才だな。」
ぽつりとグルッペンは呟いた。
コネシマから貰った、パスワードを急いで、名簿のあるサイトに打ち込む。
大文字小文字に気を付けて、確実に打っていく。
エンターキーが叩かれた。
しばらくカーソルがくるくる回って、現れた。
「何を調べればいいんだ？」
『ハウチワマメ、です。』
Aの声音も冷静じゃなくなってきている。
グルッペンが言われた通りに、打つと、一人の女性が出てきた。
『ビンゴ……。』
まあ、これさえわかったら、後は総統に任せておけばいい、とAは思っていた。
のに、
「秘密を共有したからには、借りさせて貰うゾ。」
グルッペンの笑みが消えた顔に、Aは反射的に頷いた。
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2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
