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「Aさん、こっちこっち。」


あいも変わらず、笑みを浮かべてルピナスはAを手招きする。
ルピナスの隣には、シャオロンとロボロが立っていた。
ふたりとも顔が少しニヤついている。

『遅れてすいません。』
「いいのよ。急に誘った私が悪いし、任務中だったでしょう。私こそごめんね、Aちゃん。」
謝る姿も、美しい。流石だ、と思いながらAはルピナスを見た。

ルピナスの功績と信頼は、とても高い。
しかも、美しいので、人気が異常にあった。

(彼奴......。)

面倒事を持ってきやがった、とAは男に心の中で悪態をついた。
Aの微妙な表情の変化に、気づいていないのか、ルピナスはぐいぐい引っ張っていく。


「カレーですって。大盛りにしてもらおうかしら。」
『私は遠慮しておきます......。』

先程の光景を見れば、到底肉を食らう食欲なんて湧かない。
吐き気に襲われる。
ライスとサラダだけにしてもらい、Aはルピナスの隣に座った。

「いいの?それだけで。」
ルピナスの心配するような声に、ええ。とAは頷く。

Aとルピナスに向かい合って座った二人は、上品に食べるルピナスをちらちら見ている。
まだ、この軍にはルピナスと寝た者はいない。

高嶺の花は、手折らない方がいいという、意向だろうか。
Aは、ルピナスを見ながら、プチトマトを口に運んだ。
ずっと嫌いだった、男の声を事実だと思わざるを得ないことに、Aは舌打ちした。

談笑しながら、食べている3人に、礼をして、Aは飛び出すように外に出た。
人気のない場所までいき、血濡れた紙切れを、ポケットから出して、目の前で広げる。

『協力者が、必要だな。』

面倒くさい、とAは呟く。
それでも、あの嫌な男が自身の地位を高めようとしている気持ちに、答えようと足が動き出すのだ。


『馬鹿馬鹿しいな。』


男の顔を思い浮かべ、脳内で踏んづけた。

・食後のケーキは苦かった。→←、



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2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です!わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです!こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか? (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか? (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです!続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蠱毒 | 作者ホームページ:@kodomikodoku  
作成日時:2022年8月7日 18時

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