・めんつゆティータイムお断り。 ページ31
「Aさんでしたっけ？」
瓶底レンズの奥で、笑う瞳がAを捉えた。
ふわふわとした淡い水色のくせっ毛を揺らしながら、長身の男はAに近づいた。
鍵を指で遊んでいる。
『骨はおらないでください......。』
「え、そんな手荒いことしませんて。」
同僚同士、仲良くやりましょ？と長身の男が笑みを浮かべる。
少し離れたところでは、ショッピが少し哀れんだ目で、二人を見ていた。
「書類仕事手伝ってほしいんですけど。」
そう言われて、Aは書類に関する記憶を掘り起こした。
まず、シャオロンに書類を持っていって、命を狙われた。
書類？であるメモリーカードを持ってきたロボロに叩かれた。
そして、書類を頼んできたコネシマに、何故か頬を捕まれた。
碌な事が一切ない。
ただ、相手は幹部だ。
断れば、自身の血を見る羽目になるかもしれない。
痛いことは嫌いだ、と思いながらAは承諾した。
時間と礼を述べて、チーノは小走りでそこから去っていった。
とんでもない特殊な趣味のために、自身が使われなければいいが。
と、願いながら、Aは喫煙所を出た。
Aは、ショッピからもらった煙草を吸ったときから、癖になってやめられなくなっていた。
部屋でも、時々吸っており、そろそろニコチン中毒者になるのではないか、とショッピから言われている。
喫煙所を出て、訓練所に行こうと、Aが歩いているとルピナスがいた。
ルピナスはAを視界に捉えると、手を振った。
振られた手に会釈で返し、Aはルピナスに近づいていく。
すると、いつものようにルピナスはAに、抱きついた。
いつもは感じない、首の違和感を感じ、Aは横へ顔をそらそうとする。
だが、ルピナスの腕が邪魔で、身動きがとれない。
少しだけ、酸素が吸いづらかった。
Aはぱくぱくと、口を開く。
二、三分経ってから、Aはルピナスから解放された。
周りの男兵士が、羨望の目でAを見る。
少しずつ、ルピナスは力が強くなっていく。
何かおかしい気がする、と思いながらAは再び会釈をした。
ルピナスとくっついていたからか、Aの体躯は少し熱を帯びていた。
β国の要塞の一角にあった、ハウチワマメはどうなっているだろうか、とふと思う。
ルピナスの髪の色と似ていたからだろうか。
自身の資料もやらないと、と呟いてAは先を急いだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 596人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
