ホグワーツの初恋 year3 (ページ7)

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#82 ページ7

ダンブルドアがお見舞いの品から一つお菓子を手に取る。

「おぉ、この蛙チョコ、ロンが君に成り代って開けたようじゃ。早々と」

「ロンは、無事なんですか？ハーマイオニーは？エリーは？」

「大丈夫。２人とも元気じゃよ。エリーならほら、隣を見てご覧なさい」

そう言われて、隣のカーテンを開けるとエリーが本を読んでいた。その彼女の周りにも沢山お菓子が置いてある。

「エリー？」

『Good afternoon,Harry.私もさっき起きたばかりなの。貴方が元気になって良かったわ』

「うん、君も良かった」

『それで、先生。結局石はどうする事にしたのですか？』

「ああ。石は砕いてしまった。ニコラスと私で話し合ってな。こうするのが一番だと決めたのじゃ」

「それじゃあ、ニコラスは死んでしまうんですか？」

「命の水は死のそなえをする位はたくわえがある。その後に死ぬことになろうの」

『そうですか…』

ところで、ハリーは何よりも疑問に思った事がある。元々彼のズボンには石など入っていなかった。

「僕はどうやって石を？鏡を見てたら急に手の中に…」

「あぁ、それはな、石を得られるのはあの石を探し求め、見つけても使おうとは思わない、そういう者だけが…どうじゃ、なかなか思いつかんじゃろうが。ここだけの話だがな。我ながらいいアイデアじゃ」

「石がなければヴォルデモートは２度ともどっては来ないんですね？」

「あぁ、残念じゃが戻る方法はまだある」

あの時、エリーはモヤになって何処かへ消えていくヴォルデモートを見ていた。最も今回どうやってクィレル先生に寄生していたのかも分からない。彼にとっては造作もないことだ。きっとこの先もハリーの前に現れるだろう。

「ハリー、どうしてクィレルが君に手を出せなかったかわかるかね？」

その問い掛けにハリーは首を横に振った。

「お母さんのおかげじゃ。命と引き換えに君を守った。それが君に印を残した」

ハリーは咄嗟に額の傷に触れた。

「あ、いや、目に見えない印じゃ。君の肌にそれが残っておる」

「どんな印を…？」

「愛じゃよ、ハリー。愛じゃ」

そう言ってダンブルドアはハリーの頭を優しく撫でた。
愛。その言葉にエリーも、鏡や写真でしか見たことのない両親の姿を思い出した。

『…あ、先生。フラッフィーは…？』

「フラッフィーなら儂が元に戻しておる。エリー、君の魔法の腕には驚かされるものじゃな」