ホグワーツの初恋 year3 (ページ11)

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手を繋いだまま廊下を歩くエイディ。
もちろん他にも生徒達はいるから、彼らにしっかりと見られてしまっている。

『ちょっと待って、どこに行くの？？』

「……」

『ねぇ』

元々寡黙な方だけど、さすがに少し怖い。

自分で言うのもなんだけど、ホグワーツの初恋なんて言われてる私が男と手を繋いで校内を歩いている姿は、注目の的でしかない。

それも、散々言われていたセドリック・ディゴリーでもなく、はたまた幼なじみのフレッドやジョージでもなく、スリザリンの色男だ。

ホグワーツの生徒ならそりゃ、興味を持つだろう。

『ねぇってば！』

中庭まで来たところで、声を荒らげてしまった。幸いな事に、珍しくあまり人がいなかった。ひとまず、端にあるベンチに座る。

『…どうしたの？』

「……別に」

『流石の私も言われないと分からない。…何か気に触ることした？』

「はぁ……いや、悪かった」

自分の行動を振り返ろうとしたが、思い当たることと言えば、先程のセドとの事だろうか。彼もエイディに嫉妬されたら困るって言っていたし…。でも、私にはそこまで怒られることなのかわからなかった。

「急にごめん…みんなにもバレたかもしれないよな」

そりゃあ、あれだけ堂々と手を繋いでいたしバレない方がおかしい。まぁここまできたら隠さなくてもいい。

『それはもういいよ。でも、少し怖かった』

「ごめん…」

落ち込んでしまったのか、私より背の高い彼が小さく見える。なんだか可愛く思えて、頭を撫でた。

『大丈夫だよ。私こそ何か嫌な思いにさせちゃったならごめんね』

「君は悪くない………俺も心配してたんだ、すごく」

そう言えば、アンジェリーナ達も言っていた。みんなに心配かけさせちゃってなんだか申し訳ない。

『心配かけてごめんね』

「あぁ」

蟠りもとけて、その後は普通の会話を楽しんだ。
クィディッチのことだったり、ロン達のことだったり。
そして話題はもうすぐ迎える休暇の話になった。

「そうだ。休暇中は、日記の交換は難しいだろうし、手紙を送ってくれるか？」

『勿論！沢山手紙を送るわね！』

「良かった、約束だ」

『うん、約束』

日記の時もそうだけど、彼の書く字は見やすくて綺麗。
私も綺麗に書かないとって少し緊張する。

『久しぶりに沢山お話できて嬉しかった』

「そうだな」

『そろそろ寮に戻りましょ』