全ては君でした ．【Ryo.Hashimoto】

All you 26 . ページ27

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井上は真剣な顔して




舞花と話すと


舞花の腕を引いていく ．







あれ 、完璧に悪者… 私 ？




そう思うと どうしようもなく泣きたくなる ．








「 また二人一緒なんだけど ． 」





その声で気づけば 2人は扉を出た後で ．




ぼや 、 と視界が滲む ．








「 先生に呼ばれてたから借りるね ？ 」．





視界が真っ暗になったかと思えば




ふわ 、 と少し大きめの手が見えて ．




私の目を包めば


酷く落ち着く


聞きなれた声が耳元をかする ．








「 あ 、そうなの！！

大変じゃん 、いってらっしゃい！ 」









また 君はずるい ．





こういう時に必然と現れるんだから ．







「 笑ってるより泣いてる方が





Aらしいね ． 」




「



… なんで 、 涼 。 」








再び視界が開いたのは


教科の道具が置いてある小教室 ．






目に入ったのは


また優しく笑う涼だった ．






「 煩い 、エセ王子 ． 」



「 ふふ 、そりゃどーも 。 笑 」



「 優斗は … ？ 」





落ち込んでたのは優斗もなのに 。




放置してたら … ！





「 優斗が行ってあげてって言ったんだよ ？





俺より

はしもっちゃんが安心するよ 、って 。



何気にAのことずっと見てたから ． 」





思いがけなくて 驚愕してると




また いつものように苦そうに笑う ．




「 もうすぐ予鈴なっちゃうんだけど ．



ほら 瑞稀達も居なくて


俺らも居なかったらそろそろやばいじゃん？







… 戻れる ？ 」




不思議と涙はもう出なくて ．




心配そうに 眉毛を八の字にして


子犬のようにのぞき込む涼が


可愛くなっちゃって ．






「 大丈夫 。 ありがとう 。 」




「 ん 、まあ隣俺だから大丈夫だよ 。 」





謎の励ましと共に教室に戻ると




優斗はこっちを見て


また犬のようにじっとしていた 。







ペットショップ … ？





にこ 、と笑うと


ぐっ とファイトポーズをしてくれて 。







恵まれたな 、なんて少し緩む ．









結局2人が帰ってきたのは





1時間目がぜんぶ終わったあとだった ．

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