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「………帰ってきたんだな、本当におかえり大神！」
『は、ッ急に引っ張……うわ！』
しんみりとした空気に溶け込んでいたせいで、とんだ不意打ちを食らう。気づけば自分は円堂の腕の中に居て、彼と同じように倒れ込んでいた。
……首が、締まって……
「あ！服が汚れるよな、事故の怪我が痛むよな！ごめん、つい嬉しくて……ごめん！！」
服や怪我以前に絞殺されるところだったが……？
突然我に返り、忙しない動きで謝罪を口にする円堂。その頭にチョップを食らわせてやれば、素早く顔が上がる。
『……別に構わんさ。そろそろ帰ろう、もう夜になる。』
「あ、そうだよなぁ……仕方ない、帰るか！」
まだここに居かった様で、しばらく悩んだ後に頷いた。立ち上がって手を差し伸べれば、円堂はグローブを外して手を掴む。
『帰ろう。』
「おう！」
ゆっくりと歩きだし、階段を降りた。円堂にしては珍しく静かで、思わず顔を覗き込む。目を見ても合わないので、きっと考え事をしているのだろう。
しばらくして、ゆっくりと息を吸った音に横を向く。
「大神、また会えるよな？」
『……！』
突然の事故で行方知れずとなったことが不安なようで、弱々しくそう言われた。
『……何言ってるんだ、当たり前だろう。』
気づけば、円堂の家がある住宅街に来ていた。この道を真っ直ぐ行って、右に行けば円堂家だ。
……共に帰るのは、一旦ここまで。
『あの鉄塔に来れば必ず……また、会おう円堂。』
「……え、大神！？」
『どうか僕と会ったことはご内密に、またこの道を君と歩きたいな。
それではまたね、最高の友よ。』
これはサヨナラではない、再会の約束。
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月18日 2時
