得体 40 ページ44
クルルが話し終え、彼女が着替え終えたところにルクとAもといレフがやってきた。
「やー、女王。復帰おめでとう」
「……」
「でも、誰が助け舟出してくれたおかげで復帰できたのか覚えてる?」
「礼でも言えと」
「言えるの?」
「いいや。今私に殺されていないことに対して、お前が礼をしろ」
「えー、それやだなー」
「僕は?」
Aがそう聞いたがそのまま無視されてしまった。
そして、ルクはクルルに何かを投げた。それを、クルルはキャッチする。
「ほい。紫外線防止リング。今外、昼だよ。散々焼かれてトラウマになってるでしょ」
クルルはそれを左腕につけ、ふと出口の光が漏れる方へと目をやる。
「はは…」
その様子を見て彼女、否、男は乾いた笑みを響かせた。
そのころ、帝鬼軍の方ではまさに、シノアが吸血鬼化を始めた瞬間だった。
真祖が一瞬だけ気配を表せ、世界の吸血鬼がそれに気づいた。
「真祖が現れた、東京へ行くぞ」
「じゃあ僕も連れてってよー」
「…わかった」
「ウルド様!?」
レスト・カーが驚きの表情を見せる。
「なぜ、こいつを連れて行くんですか!?」
「どうせ、来るなと言ってもそいつは来るだろうから」
「はは、さっすが。じゃあよろしく」
そして、彼たちが東京へと向かうヘリにリーグからと思われる攻撃が行われ、ヘリはすげて撃墜された。
「うーん。じゃあ、"僕"は先にいくや」
「…あぁ」
そして───────
「ははっ!間に合ったようだねぇ!
真祖!
やっと会えたようだよ!」
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作者名:黒銀 | 作成日時:2022年1月31日 22時