得体の知れないもの (ページ4)

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得体3 ページ4

優「Aー！！」
貴「ん？優ちゃんどうしたの？」
優「ミカエラの奴がさ！！貴族に吸血してもらってんだって！！」
貴「一人で抱え込んでほしくないの？ミカに」
優「そうなんだよ…」
貴「その貴族の名前分かる？」
優「ん？えっと、確か…フェリド・バートリー…だったかな」
貴「へぇ…(久々に第7位の名前を聞いたな)。てか、優ちゃんにしてはよく名前覚えてたね」
優「うるせー！！お前まで俺を馬鹿にするんじゃねぇ―！！」
貴「はいはい」

ーその日の夜ー
ミ「みんな起きて！！」
貴・皆「ん？」
ミ「この世界から逃げるぞ！」

？「あはぁ～、待ってたよ。哀れな子羊君たち。そう、その顔♪希望が突然消え去る時の人間の顔。だからこの遊びやめられないんだよね～」

貴「(相変わらずヤな性格してんな)」
そこからは、僕はただただ、眺めていた。
そう、そして、優は僕に気づくことなく出口へと向かって走っていった。クルルが来ることは分かっていたので、早々にその場を去った。もちろん、その後の会話はすべて聞こえていた。
そして、さらに、僕はひっそりと百夜優一郎が定期軍の人間と遭遇するところを見ていた。

グ「お前らは先に行っとけ」
従者「え？なぜですか？」
グ「いいから」
きっと僕の気配に気づいたんだろう。そりゃそうだ、気配をむき出しのしているんだから。
グ「さぁ、降りて来いよ、吸血鬼」
貴「あっは！！君さ、利用するって言ったね！！言ったよね！！あっはははは！！
……っはー、面白かった。で？なに？その柊真昼に取りつかれた生成りが何の用？」

彼女の身にまとう雰囲気が一気に変わり、それにはさすがのグレンも冷汗が垂れた。
グ「お前、貴族か？」
貴「うん、そうだよ？…って言ったらどうする？」
グ「今ここで殺す…！」
貴「あは、やめときなよ。今の君じゃ無理だ」
その瞬間Aは目の前からグレンの前から消えた。まるで風のように。