Hello家出役者【A3】

… ページ43

いづみside

帰ってくるとA君が居なかった

寮には密さんと千景さんもいた

二人に居場所を聞くと静かに首を振った

Aの部屋には手紙が置いてあった

何故か…その手紙を読む気になれなかった

手紙に添えてあった花は左京さんが部屋に飾るといった

その表情はとても悲しそうだった

それから1ヶ月経った今もA君は帰ってこない

千景said

あいつが居なくなって一月

みんな心なしか暗くなっている

変わらないのは俺と密くらいだった

そんな時だった。あいつから電話が来たのは


『もしもし？エイプ俺』
「あぁなんだ」
『ん〜簡潔に言うと組織が摘発された』
「…は？」

突然の電話でよくわからない結果報告をされた

『大丈夫。エイプとディセの分は消してあるから』
「…そ〜かよ」

もう反論も面倒になった

…そこからの話によるとどうやらこの一月で組織のスパイのリストを作ったらしい

それを世界政府に密告したら

そこから芋ずる式に…という事だ

そんなうまく事が進むとは思えなかったが

翌日の新聞がそのことをそっくりそのまま報じた

組織の幹部が本部に火をつけて行方をくらましたということも添えて…

それから半年後にAは帰って来た

白い肌に…たくさんの傷をつけて

ただいま→←さよなら私の愛しい人

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す