Hello家出役者【A3】

君は一体 ページ20

綴said

至「あれ、これAのじゃない？」

至さんが持つのはAさんがいつも大切そうにしてる指輪

指輪っつってもダイヤとかじゃなくて

何かの精密機械のようなもの

何度か廊下に落ちていた

その時点で大事なんだとは思えないけど

それを落ちてたと言われた時

本当に顔が蒼くなるほど慌てていて

無くしたらヤバイものなんだとみんな思ってる

至「綴ー届けて来てくれない？俺世界救ってくる」

「ちょっ至さん！」

周りの人からドンマイコールをされる

…まぁいいか今締め切りとかも無いし



Aさんが行った方向に歩いて行くと

そこに電話しているAさんがいた

話しかけようとしてやめた…いや

辞めざるを得なくなった

それはAさんが知らない言葉で喋っていたのと


まるで人形のような無表情で居たから


『《もう戻らなきゃなので》…クソが』

電話が終わる

どうしよう…出るべきだよな…

ここで立ち去ろうとして音立てるなんて

漫画みたいなことをしてしまうのも良くない

綴「…あのAさん」

『あれつづくんどうした？』

さっきまでの冷たい表情じゃなくて

今まで通りの感情豊かな顔

それに安心して

『俺の電話盗み聞きして何か疑問が湧いた？』

その言葉に動けなくなった

Aさんのの目が笑ってないように思えた

貴方は一体

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