第1話「旅立ち」その6 ページ8
雲母「Aちゃん、雲母、ここ以外の所行ってみたい………。」
Aがぐちぐち駄々をこねていると、隣でモフモフとご飯を食べていた雲母が口を挟んだ。
雲母「雲母、また前みたいにAちゃんと一緒に旅したい。いろんなもの見てみたい。」
A「雲母………。」
雲母は怒られると思ったのか、小さな声でモゴモゴと話す。
A「………も〜、しょうがないなぁ。いいよ、行っても。人間界。」
雲母「え?」
A「なんて言ったって、他の誰でもない、雲母のお願いだからね。断れないわよ。」
その言葉に、雲母は顔を輝かせた。
普賢「それじゃあ決まりだね。いつ出発する?」
A「んー、別に今からでも大丈夫だよ。荷物とかあんまりないし。」
木吒「えっ!?A姐もう行くの!!?」
A「お?なんだなんだ?もしかして、私がいなくなるからさみしいの!?」
我が意を得た!と言わんばかりに目を輝かせるA。
木吒は、自分の口が滑ってしまったことを後悔した。
木吒「違うって!だからーーー」
A「はいはい、わかってるよ。
………木吒、さみしくなったら、いつでも会いにきていいのよ。待ってるから。っていうか、会いに来て。来なさい。来ないと許さないから。」
木吒「うぇぇ…………。」
普賢「二人とも、本当に仲がいいよね。僕も師匠ながら嬉しいよ。」
普賢がニコニコしながら口を挟む。自分の弟子たちの仲がいいのは、本当に嬉しいのだろう。
A「普賢たんのことだって私大好きだよ?勿論雲母もね!みんな仲良し!」
Aのその言葉に、その場にいた全員が顔を綻ばせたーーー。
*
A「………それじゃあ、行ってきます!」
雲母「いってきま〜す。」
その数時間後。
長旅の準備を終えたAは、雲母と荷物を従え、見送る普賢と木吒を振り返った。
普賢「行ってらっしゃい、A、雲母。道中気をつけて。あと、望ちゃんによろしく。」
A「うん!」
木吒「A姐。A姐が下に行ってる間に、俺、絶対に強くなって見せる!その時は、覚悟してろよな!」
A「ええ。楽しみにしてるね、木吒。
……………よし、行きますか、雲母!」
雲母「うん!」
ーーー雲母の背に乗り、普賢と木吒の声を受け、Aはついに人間界へと足を踏み入れることとなった…………。
第1話、終わり。
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
信乃(プロフ) - 封神演義いいですよね!楊戩とかカッコいいし、天化もいい!更新ファイトデス (2017年5月21日 17時) (レス) id: 7cad6b70e5 (このIDを非表示/違反報告)
風蛍月(プロフ) - 真ちゃんなう!さん» コメありがとうございます! すみません、最近更新するの忘れてました← なるべく頑張ります! (2015年8月12日 15時) (レス) id: 4620f76b51 (このIDを非表示/違反報告)
真ちゃんなう!(プロフ) - この小説好きです!更新頑張ってください!! (2015年8月12日 14時) (レス) id: 883ad8778b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風蛍月 | 作成日時:2014年7月28日 20時