第3話「四聖襲来」その4 ページ15
A「………私、あの時天化君が『好き』っていう意味で言ったんだけど………。」
顔を真っ赤にさせ、少しさみしそうな表情をしたAに天化は動揺する。
それは、今までに一度も見たことのない顔だったからだ。
天化「へ?お、俺っちのことが、好き?……って、えっと、つまり………。」
A「………私は、昔から天化君のこと、異性として見てたの。天化君と、け、結婚できたりしたら幸せだろうな、とか、友達じゃなくて一人の女の子として見て欲しいな、とか………。そういう気持ちを込めて、最後にあの言葉を言ったんだけど………。」
天化「………すまねぇ。全然知らなかったさ………。」
A「……ばか。だと思った。」
それだけを言ってのけたAは、ごまかすように天化から顔を背けた。
天化「………その、俺っち好きとか、付き合うとか、そういうの全然わかんなくて………ごめん。」
A「………いいよ、もう。聞いてもらえただけでも、私は嬉しいから。」
天化「A…………。」
A「………でもね、私、諦めないから。絶対、天化君のこと振り向かせて見せる!」
そしてAは、昔と変わらない笑顔で……いたずらっ子のような笑顔を天化に向け、その場を走り去った。
天化「……………。」
*
A「ただいまです〜。」
黄明「おぉ、おかえりAちゃん!……あれ?天化は?」
わかっているくせに、黄明はニヤニヤとしながら聞いてくる。
A「あまりにも遅いので、置いてきちゃいました。」
AもAで、いけしゃあしゃあと嘘をつく。
周紀「若いというのは、いいことでございますね。」
A「え〜?みなさんも、まだ十分若いですy………?何?この音……。」
Aの言葉を聞き、耳を済ませると軽い地響きと、ゴゴゴ………というような音が微かに聞こえてくる。
ーーー見ると。
「「「「………!!!」」」」
一瞬その光景に目を奪われ、
竜環「津波だーっ!!!」
黄明「ばっかやろう、ここは山ん中だぞーっ!!?」
誰かが叫ぶのと同時に、黄一族は津波に巻き込まれた。
雲母「Aちゃん!!」
A「きゃっ!?………ごめん、ありがと雲母。」
雲母「うん!」
Aは、さっきまで頭の上でひたすら寝ていた雲母に間一髪で助けてもらっていた。
A「みんな巻き込まれちゃった………。と、とりあえず、太公望様たちの所へ行こう!」
雲母「う、うん!」
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
信乃(プロフ) - 封神演義いいですよね!楊戩とかカッコいいし、天化もいい!更新ファイトデス (2017年5月21日 17時) (レス) id: 7cad6b70e5 (このIDを非表示/違反報告)
風蛍月(プロフ) - 真ちゃんなう!さん» コメありがとうございます! すみません、最近更新するの忘れてました← なるべく頑張ります! (2015年8月12日 15時) (レス) id: 4620f76b51 (このIDを非表示/違反報告)
真ちゃんなう!(プロフ) - この小説好きです!更新頑張ってください!! (2015年8月12日 14時) (レス) id: 883ad8778b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風蛍月 | 作成日時:2014年7月28日 20時