番外 ページ24
「おい、ブラッド。」
クリソコラは、黒と赤が混じった髪の宝石ーー名をブラッドストーン、クリソコラはブラッドと呼んでいる。ーーに声を掛ける。
先を歩いていたブラッドストーンは、クリソコラの方を振り向き口を開いた。
「ん、なんだクリソコラ殿?」
「戦闘を教えてくれないか。」
「無理だ。クリソコラ殿は硬度が低い、戦闘向きではないだろう。」
でも、と反論しようとしたが、反論する言葉が見当たらない。
どうしようもないと結論が付けば諦めるのはすぐだった。
1つ息を吸って、1つ息を吐く。
心を少しだけ落ち着かせれば再び口を開いた。
「わかったよ。」
「納得してくれたようで良かった。クリソコラ殿はどこか頑固な所があるからな。」
「お前が言うなって〜。さて、俺は仕事があるからここで。」
はは、と笑いながらクリソコラは言う。
手を振ってその場を去ろうとすれば、次はブラッドストーンの方からクリソコラへと声を掛けた。
「待て。俺も一緒にいきたい。」
「あー、いいはいいんだが退屈な仕事だぞ?」
何せ自然を観察してそれを書くだけだ、言ってもブラッドストーンは首を横に振る。どうやら本当に着いていくらしい。
クリソコラは少し考えた後、
「まー、それならいいぞ。」
了承した。
それを聞けば、ブラッドストーンは感謝の言葉を述べる。
クリソコラは少し照れ臭そうにはにかんでは外へと歩み始めた。
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「やっ、と終わった。いつもより早く終わったよ、ありがとなブラッド。」
背を伸ばして欠伸をしながらクリソコラが言う。
一方ブラッドストーンは、大の字で草むらに寝転がっていた。
「ん……あ、あ…ぁ。どういたしまして。」
「はは、やった事の無い仕事で疲れたか?」
「疲れたというか、腰に来るというか…。」
「あー、わかるよ。俺も最初はそうだった。」
この仕事は屈んでは立っての繰り返しだ、腰を痛めたりするのも当たり前だろう。そんな事を思いながら、クリソコラは余裕そうな頬笑みを浮かべる。
そのクリソコラの笑みを見て、ブラッドストーンは反対に苦笑いを浮かべていた。
「……なぁブラッド。」
突然。俯きながら、少し悲しそうな声でクリソコラがブラッドストーンへそう語り掛けた。
「ん、どうした。」
自嘲めいた笑みを零した後、再びクリソコラは口を開く。
「ブラッドは、月に行きたいって思った事は無いか?」
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白米おいしい家のブラッドストーンちん借りてます(ダブルピース)
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作者名:兀 | 作成日時:2018年6月3日 20時